第6話『芸能界デビュー!?変態ヒロイン、正義のアイドルにされる』
「……どういうこと?」
俺、望(♂)。今は“望みん(♀)”の姿で、なぜかジャスティア芸能部の応接室にいた。
目の前に座るのは、眩しいほど白いスーツに身を包んだ、見た目チャラい中年男。
名前は――
「プロデューサー・ホワイトって呼ばれてます♡」
こいつが言うには:
SNSでの望みんのバズりっぷりを見た
正義のブランドイメージに“変態枠”が欲しかった
仮面ヒロイン枠が不足しているので採用したい
でも服はまだ禁止
「全裸なのに採用すんな!!!」
「君ねぇ、全裸でここまで人気出るなんて逸材よ? トレンド乗るしかないって」
「せめて布をくれぇぇぇ!!」
と、そこへもう一人。
清楚系の美少女ヒーロー、ふわふわ銀髪、白ワンピース風のヒーロースーツ――
「新世代ヒロイン、“ホーリィ・ホワイト”です」
「わぁ……リアルで居た……ザ・正統派」
この子が、今やジャスティア芸能部のトップアイドル。
つまり俺とは完全にジャンルが違う存在。
ホーリィは俺を見るや、ふわっと微笑んで――
「……臭いですね」
「第一声それかよ!?しかも本音漏れてんぞ!?」
「正義を“ネタ”にするなんて、どうかと思います」
「俺だって本当は真面目にヒーローやりたいんだよ!?」
「じゃあなぜ、全裸で踊ってるんですか?」
「それは仮面がァァァ!!!」
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一方その頃、仮面はというと――
ジャスティア地下で、分析官たちに囲まれていた。
「……この仮面、危険すぎる。使用者の妄想を具現化するなど、制御不能だ」
「“神格マスク”……古代変身文化の遺物か?」
「処分すべきでは――」
そのとき、仮面がピクリと動いた。
> 『処分?いいね。そっちのほうが、もっと面白くなりそうだ』
\キィィィィィン……/
「!? 仮面が……自己起動した!?制御不能!!」
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一方その頃の俺。
「ってことで、君には“期間限定・正義の変態ヒロイン”として活動してもらうよ☆」
「契約書、ここにサインしてネ♪(※裸)」
「服ないのにサインってどういう状況!?というか名前!?」
「そこは芸名で。“ピュアピエロ★望みん”とかどう?」
「やめてぇぇぇぇぇ!!!」