第5話『脱走!望みん、女子刑務所(?)に収監される!?』
「ここは……どこだ……?」
冷たいコンクリートの壁、鋼鉄製のドア、天井には監視カメラ。
俺――望みん(♀)は、気がつくと拘束服を着せられ、ベッドに転がっていた。
いや、服を着ていることは喜ばしい。
だがそれが……なぜかピッチリスーツで、ボディライン全出しなのはどうなんだ。
(くっ……結局変態じゃねーか……!)
状況を整理しよう。
ジャスティアによって拘束された俺は、仮面を外され、「変身者矯正施設」に送られた。
通称――
> 《改心ハウス・ヒロインズブロック》
女子専用。変身事故や暴走能力者など、“問題あるヒロイン型変身者”が隔離される場所らしい。
「……俺、男なんだけどなぁ……」
「え? あんたも“中身オッサン勢”?」
声がして、横を見ると――同室の女(?)が座っていた。
赤髪、八重歯、ギャルっぽい見た目。でも、目が死んでる。
「私もよ。仮面拾ったら、変身して、爆乳になって、拘束されてここ」
「同志いたぁぁぁぁぁぁ!!」
「ここの奴ら、見た目がヒロイン系なら全部“女子”扱いなのよ。中身なんて関係ない」
「ジェンダー無視かよ!!ヒーロー界こっわ!!」
そのとき、スピーカーから声が響いた。
> 「矯正プログラム開始します。今日のメニューは“正義的立ち居振る舞い講座〜変身者の心得〜”です」
「うわ、きたわよ……」
「何それ地獄の予感しかしない」
> 「講師は、ジャスティス・ブラック執行官です」
「ブラックさんかよぉぉぉおおお!!」
冷や汗が出た。あの冷徹眼鏡美女が講師とか、
ぜったい俺にだけ殺意MAXだ。
「望みんさん、“お尻締めて歩く”練習からよ。脱いでどうぞ」
「なぜ脱がせる!?」
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一方その頃、ジャスティア本部――
「――彼女(?)の妄想力は、通常の変身者の2.4倍です」
「まさか……“神格マスク”の適合者?」
「はい。仮面が彼女を選んだ可能性があります」
「……ならば放ってはおけんな」
「処分しますか?」
「いや、むしろ――味方に引き込む価値はある」
「仮面全裸ヒロインを?」
「うむ。ヒーロー部門、アイドル枠としてな」
「まさかの売り出す気ィィィィィッ!?」