第10話『黒の仮面、ノクターン!妄想 VS 絶望の戦端』 行きます!
――廃ビルの屋上。
夜風が吹き抜ける中、俺・望(♂)、望みん(♀)の姿でそこに立っていた。
……変身済み。もちろん服は着ている、今はちゃんとしたヒーロー仕様だ。
目の前に立つのは、全身黒と血のような赤で彩られた不気味な仮面の男。
その名は――
「クラウン・ノクターン……」
> 『我が名は、悲劇と絶望の化身。
“理想”など、苦しみの果てにしか生まれぬと知れ』
そいつは、冷たい声で言い放った。
「お前も、仮面の力を使ってるんだな……! でもなぁ!」
俺は拳を握る。
「お前と一緒にするなよ! 俺は、人を笑顔にするために妄想使ってんだ!」
「裸で?」
「うるせぇ!!!」
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クラウン・ノクターンは、マギカと同じ“古代神格仮面”の一つ。
だがその目的は、“破壊”と“否定”にある。
彼が現れたのは、仮面の力を受け入れ始めた俺を――潰すため。
「お前が笑わせた人間ども、その裏にある“現実”を見せてやろう」
ノクターンの仮面が発光する。
\キィィィィィン……/
世界が一変する。
周囲が、灰色の風景に染まっていく。
「なに……!? こいつの“妄想”……!」
目の前の景色が――
夢を諦めた人
現実に負けた人
笑顔の裏で泣いていた人
――そんな“心の闇”の記憶で構成された空間へと変わっていた。
「これが……絶望の妄想世界……?」
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一瞬、足がすくむ。
でも、仮面から声が響いた。
> 『恐れるな、望。
“妄想”は、必ずしも光のものだけではない。
闇の中にさえ、光を灯す者が“ヒーロー”だ』
「……だよな」
俺は、胸に手を当てる。
「俺はバカで、変態で、ダサくて、モテない――でも!!」
仮面に、力が集まる。
「俺の妄想は、誰かを笑わせて!救って!生きる理由を作るんだ!!」
\ピカァァァァァァ!!!/
望みん、進化変身!!
露出度控えめになった代わりに、戦闘力大幅アップ!
マントが付き、ピエロ要素に魔法少女+戦隊風アレンジまで融合!?
「うおおおおおおっ!!いっくぜえぇぇええええええっ!!」
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望みん vs ノクターン、激突!!
技名:『ラブリー☆パンチ・マジカル変態正拳突き!』
「名前はアレだけど威力すごいなおい!!」
ボロボロになりながらも、ノクターンを一度撃退する。
> 『フッ……面白くなってきたぞ、“白き道化”よ……』
ノクターンは虚空に溶けるように姿を消す。




