表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/105

1-7忍び寄る気配

所と別れたリベレイツの3人はロックスと友好関係を築く為

ロックスの拠点があるという下北沢に向かっていた……


「下北沢ってこばんちゃんよく知らないんだけどどこにあるの?」

「確か北沢の方にあるスラムっぽいところの呼称だっと思うぜ。親父が仕事でよく行ってたんだけど一度大怪我して帰って来たんだよなぁ」

「そういえば豊の父親は警察官だったな。下北沢は昔サブカルチャーの発信地として有名な街だったんだよ。俺はたまに遊びに行って昔の音楽を買ったりしてたな」


――謎の間が空いた。なにかまずいことでも言ってしまっただろうか。


「スラムに遊びに行くなんてリーダーは見かけによらず悪なんですね~」

「昔の音楽ってロックとかヒップホップってやつだよな?あれってどんな感じなんだ?」


豊が気にするのも無理はない

現在12区では思想に大きな影響を及ぼすとされる芸術活動は区によって制限されている。

その中での音楽は特に厳しい管理下に置かれているためロックやヒップホップと言った音楽は完全に禁止されていて、聴くこと自体が違法行為だからである。

とは言っても軽犯罪の範疇でバレたところで注意される程度だ


「とにかくノリが良いんだよな。世の中に縛られないかっこいい歌詞と現代の音楽ではまずないリズムにシャウト、心に響いてくる本物の音楽って感じがしてたまらないんだ」




下北沢トークが予想外に盛り上がり3人はあっという間に梅丘の辺りまできていた……


「おい相棒。気づいてるか」

「ああ、誰かに後を付けられている。幸田さんは予知を使って警戒をしといてくれ。」

「了解☆」


3人は警戒しながら正面から待ち受ける為に広い場所まで移動することにした。


それから間もなくして大きな公園が見えてくる

美しい梅林と多くの運動場を有するその公園は『羽根木公園』だ――。


3人は戦闘態勢に入り声を上げる


「誰だか知らないが出てきやがれ!」

「さっきからコソコソと鬱陶しいんだよ。」

「こばんちゃん達がボコボコにしてやんよ!」


「ハハハハハッ‼今頃気づいてももう遅いのよ」

どこからか女の笑い声が聞こえてきた時、俺たちは異変に気づく。


「きゃあッ‼足が動かない!」

「蜘蛛の巣だ。くそっ」


罠だった。

足場を固定され身動きが取れない俺たちの前に女が姿を現す


「私は三木 奈緒(みき なお)ラビッツの隠密員さ!」

「ラビッツがどうしてこんなところに」

「決まってんでしょ?あんたらみたいなたった3人で党作るようなバカから票を奪いに来たんだよ」


会話を割ってこばんちゃんが言う。

「あなた1人でしょ?こっちは3人ってことは戦いが目的とは思えないけど」


こばんちゃんの言葉に少し苦い表情をする三木、図星のようだ。


「だからなんだって言うのさ。あんたらみたいな雑魚はあたし1人で十分ってことよ!」


「なるほどなーだってさ相棒。『怪力解放リリース』」

ブチブチいう音とともに豊が蜘蛛の巣を引きちぎる


「女相手はやりづらいなぁ幸田さん頼んでも大丈夫?『武器創造』(クリエイト・ウェポン)

俺が武器をドリルにして残りの蜘蛛の巣を巻き取る


「任せてリーダー!覚悟しな蜘蛛のねーちゃん!って逃がすかぁぁぁああ」

まだ逃げ出してない三木を見てこばんちゃんが先回りする。


「チッ、ここは一時撤たぃ……ってなぜわかった‼」

三木はこばんちゃんの先回りに焦った様子でクナイを構える



カキーン


甲高い音を響かせ刀とクナイが刃を交える

時折繰り出される蜘蛛の巣を予知ですべて躱し攻撃を続けるこばんちゃんに三木が腹を立てる


「この小娘がぁ‼『蜘蛛の領域(ネットフィールド)‼』」


手を地面にかざした三木を中心に巨大な蜘蛛の巣が張り巡らされる

しかし、こばんちゃんにはお見通しだった


「とうっ!必殺必中『猫招き』‼」

地面から高く飛び上がり蜘蛛の領域を可憐に避け空中で刀剣を両手で握る

そのまま刀を後ろに引くと三木の体は吸い寄せられたように切っ先を向く

突きの動きとともに刀身は三木の胸を貫く


「いやぁぁぁあああ‼‼」


そして悲鳴とともに消滅した。


あっけに取られる俺らの方に駆け寄ってくるその姿はまるでしっぽをふる小動物のようだった。


「幸田さんお疲れ様」

「こばんちゃんの必殺技どうだった?ロックだった?」


訳のわからない質問をする美少女はいつも以上に可愛く見えた。


「ああ!めっちゃロックだった」

そういって反射的に頭を撫でてしまう。


「えへへへ」

嬉しそうに頭を撫でられる少女はいつもより少し大人しく見えた。


==========================

戦況

・リベレイツ:3人/9票

・ラビッツ:24/39

・ロイヤルズ:6/16

・リバース:11/21

・ロックス:10/15

・脱落:46人

==========================

*****************************

おまけ

三木 奈緒(みき なお)

聖獣:蜘蛛 武器:クナイ 能力:蜘蛛の巣 出身:下馬 年齢:19歳

忍者の様な能力という理由だけで隠密員になったため、気配を隠すのは上手くなかった


次回からは下北沢編に入ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ