表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/105

1-6 示された道筋


「やあ、私の名前は所 諭吉。成城を拠点とする政党ロイヤルズの党首だ。」

突然現れた男はそう名乗った。


政党の党首だって?敵の親玉がどうしてこんなところに


他の仲間がいないか注意しつつ戦闘態勢をとった瞬間

所は俺の背後に立っていた……

見えなかった。俺たちが恐怖を感じたのを見て慌てて所が言った。


「まぁまぁ落ち着きたまえ。戦いにきたんじゃないからさ」


そう言うと申し訳なさそうに手をあわせて優しい笑顔で俺らを見た

するとこばんちゃんがなにか電波を受信したかのような可愛い仕草をして俺らに言う


「ビビビッときました!この人はとても強いけど良い人だとこばんちゃんのカンが言っています」


こばんちゃんのドヤ顔で緊張がほぐれた

その流れで俺は所に質問する。


「所さんはいったいどうして俺らのところへ?」

「たった3人の新党ができたって言うから気になってね。」

「なんで知ってるんだ?俺らはまだ誰にもあってないぞ。」


そう言って睨む俺をみてキョトンとした顔で所が言った。


「そりゃ党首なら他の党の状況は確認できるだろう?もしかして知らなかったのか?」

「……マジか。どうやって確認するんですか。」



所さんは優しかった。

俺たちの知らなかった選挙戦の情報や現状について一通り教えてくれた

選挙戦はすでに4つの大型勢力に分かれている

三軒茶屋のラビッツ、二子玉川のリバース、下北沢のロックス、そして成城のロイヤルズ

その中でもずば抜けている最大勢力が区長の孫月島 満(つきしま みちる)率いるラビッツであるという。

そして会話の話題は俺たちに接触した理由へと進んだ……


「私は今の腐った12区を変えたい。そのためにラビッツを倒さなければならないんだ」

「ラビッツが勝ったら俺たちの区はなにも変わらないってことか……」

「私達だけではラビッツには敵わない。だから我々野党が一丸となってラビッツを倒そう考えている。君たちはなぜ党を結成したんだ?区長になり変えたいなにかがあるんじゃないか?」


所のその言葉にはとても強い気持ちがこもっていた

気持に答えるように俺はリベレイツの目的と自分の過去を語った


最後まで話を聞き終えると所が急に俺の手を握ってきた。


え?なに?怖い怖い怖い


「吉良くん!私は決めたよ。ラビッツを倒した後私は君を区長に推薦しよう!」

「はい?」


戸惑う俺に気づいた所は落ち着きを取り戻し話しだした。


所の母親は奴隷として所家に来た為人権がなく、所は母親に人権を与えられるように奴隷制度なくしたいと考えているという。

しかし、ロイヤルズの他の党員はそれを知らず自分たちが裕福でいられるならそれで良いような人達だというのだ。

つまり、ラビッツを倒した後ロイヤルズとの対立は避けることができないらしく同じ思想を持つ仲間を密かに探していたという。




「それで君たちに頼みたいことがあるんだ。我々野党はラビッツという共通の敵と戦うため手を組まなければならないが、ロックスとリバースとはまだ友好関係は築けていない。」


俺たちも完全に信用したなんて言ってないんだが?

なんてことは置いといてとりあえず聞いてみる


「それを俺たちに頼みたいと?」

「お願いできるか?私はロイヤルズの方に感づかれないようにしなければならないし、いるだけで殺気立たれてしまいかねない」

「具体的には何をすれば?」

「頼まれてくれるのか!」

「内容によるけど、俺たちも3人しかいないわけだから後ろ盾も欲しいし。」


それを聞いた所さんはとても嬉しそうにしていた

やっぱりこの人は良い人に違いない。


「下北沢と二子玉川に直接言って話をするだけでいい。話は私から軽く通しておくから心配はいらないだろう。それに君たちからは善人であることがとても良く伝わるから衝突もないだろう。」

「ほんとに大丈夫なのか?」

「敵がラビッツであることは誰もが理解しているはずだ。いたずらに戦力を消耗するようなバカは党首になんてなれはしないさ」




「では、また会おうリベレイツ。くれぐれもラビッツには気をつけろ」

そう言って所は俺らのもとを去っていった。



「ゆきちの旦那はいい人だね!」

こばんちゃんが笑顔で言うと豊も続けて言う。

「ああ、だけどちょっと怖かったな。あんなに強い人でも勝てないってラビッツはいったいどんだけ強いんだ?」

「どうであろうと俺たちが区長になるには所さんの力は必要だ。そのためにやらなきゃいけないことがわかったんだからやるしかないさ」

「さっすがリーダー!かっくいいね」

「頼りにしてるぜ大将!」


2人に茶化されながら俺は言った

「任せとけ!じゃあ行くぞ!」





こうして俺たちは次の目的地『下北沢』へ向けて歩き出した――。

==========================

戦況

・リベレイツ:3人/8票

・ラビッツ:25/40

・ロイヤルズ:6/16

・リバース:11/21

・ロックス:10/15

・脱落:45人

==========================

*****************************

おまけ

所 諭吉(ところ ゆきち)

聖獣:キジ 武器:ほのお 能力:ほのお 出身:成城 年齢:22歳

12区で最も裕福な所家の子息として生まれた諭吉。

そんな諭吉のもとに優秀で裕福な家系の子息たちは自然と集結し成城を拠点としたロイヤルズが誕生する。

ロイヤルズ党首として表面上は金儲けのために外交の活発化を謳うが

実は奴隷制度のなくすことを目的としている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ