ある日の「私」の一日。
こんにちは。それともこんばんわ?
初めて投稿してみたので文章も短く、読みにくいかもしれません。
次の参考にもしたいので、1文字でも読んでくださった方はコメントもしくは評価してもらえると嬉しいです。
誤字脱字や意味不明の表現なども、もしあれば報告お願いします!
朝。陽の光がさんさんと街を照らしだす。。今日も過ごしやすい日になりそうだ。そんなことを考えながら大きくあくびをした。
「やばいやばい、ちょっと寝坊しちゃった!」
―おいおい、今日は始業式だろう?さっそく遅刻はまずくないか?―
「ご飯食べてる時間ないかも―」パタパタパタ… ガチャ。「行ってきまーす!」バタン。
―気をつけて行くんだぞ―
この家の住人、エリカが今日も元気に学校へ出発した。
今年から中学生のエリカは学校で友達を作れるか悩んでいたが、あの明るい性格だ、すぐにクラスの人気者になれるだろう。エリカのことを一番知っていると自負する私が言うんだから間違いない。
―さて、今日もエリカの見送りを済ませたことだし、日課を始めるとするか―
そんなことを考えながら家の中を我が物顔でうろつく。
―今日もこの家は快適だな。日課をしに外に出るのが嫌になるぐらいだ―
と、その時、私はとんでもないことに気が付いた。
―なにっ、エリカのやつ弁当を忘れているだと!―
そんな漫画のようなことをする奴がいるのかと思いたくもなるが、目の前の弁当はそんな奴が本当にいるんだぞと言わんばかりに机の上に鎮座している。私以外はみんな朝の用意で忙しそうだ。
―しょうがない、今日の日課は後回しだな―
そんなことを考えながら忘れ物を届ける準備をする。早く届けないとエリカが入学早々恥をかいてしまう。
だが準備を終えた私はドアの前まで来たところで気が付いた。
―そういえばエリカは鍵をかけていったな。私は鍵を持っていないのだが…まぁ鍵がかかっていてもなくても私には関係ないが―
そんなことを考えながら私はスルリと玄関から外に出た。
―よし、まずはエリカを見つけなくては!―
数分後…
―エリカの中学校はどこだ?―
私は目的地を見つけられずうろうろしていた。え、なに?迷子?いやいや、そんなものに私がなるわけないだろう!これはだな、迷ってるふりをしてエリカが戻ってくるのを待っているのだよ!決して迷子とかそんなものでは…
そうこうしているうちにも時間は過ぎていく。
―そうだ、確かエリカの中学校は結構多くの人が通っているはずだ。きっと建物もそれなりに大きいに違いない―
エリカの通う中学校は公立だが近くに団地があるため、結構な人数の生徒が通っているらしい。それならば敷地や校舎なども結構広いはずだ。そこで私は大きな建物を探すことにした。だが私は忘れていた。団地もそれなりに大きい建造物だということを。
さらに数分後…
―ここら辺は大きい建物が多すぎないか?―
なかなか目的地を発見できず、私は少しづつ焦りだした。
―早く済まさなければ私にも予定が…―
だがいっこうに中学校らしきものは見つからない。建物の上に登って見下ろせばたぶん見つかるのだが…
キーンコーンカーンコーン…
あれは学校のチャイムではないか?もう時間もない、急がねば。
―仕方ない、疲れるからあまりしたくなかったのだが―
そうぼやきながら私は近くの団地の壁を登りだした。ところどころにあるでっぱりを駆使しながら垂直な壁をすいすいと駆け上がる。あっという間に私は団地の屋上に到着した。
―中学校はどこだ?―
団地の北側、ちょうど家とは反対の方向に、ちょっと広めの校庭と、中からざわざわと声が聞こえる校舎が見えた。
―あそこか!道理で見つかりにくいわけだ。だが遠いな!―
もう一度団地から降りて学校に向かったのでは朝礼に間に合わない。ちょうどその時、学校の西側から道路を走ってくる人影が見えた。
―おお、あれはエリカ!というかさっそく遅刻してるじゃないか!―
だが好都合だ。このままエリカに弁当を渡してしまおう。だがどうすればあそこまでたどりつけるだろう?あれこれ考えを巡らせていると、学校との間に団地の倉庫を発見した。
倉庫の高さは2.5メートルほどで、この団地の高さは5階建てだから10メートルほど。団地から倉庫までの距離は約15メートル。
―うまく荷物を渡せるだろうか―
普段はあまり使わない毛むくじゃらの脳がフルスロットルで回転する。そして私は一つの答えを導き出した。
―仕方ない、久しぶりだからうまくいくといいが―
そうして私は倉庫に向かって屋上から飛び出した。
落下の勢いによって空気が顔をタコ殴りにしてくるが、気にせず滑空で倉庫の屋根を目指す。屋根に着地した瞬間、足を踏ん張った勢いでもう一度大ジャンプ。私の体はもう一度空を飛び、どんどんエリカとの距離も縮まる。
―今だ!―
エリカの手前で弁当箱を手放し、私はそのまま滑空。弁当箱は走ってくるエリカの胸元に狙い通りに飛び込んだ。
「痛っ、っていうかえー!?弁当箱が飛んできた!?」急な胸元への来訪者にびっくりするエリカ。「っていうかそんなことより遅刻しちゃうー!」
―いや、普通弁当箱が飛んで来たらもうちょっと不審がらないか?―
道路の反対側に着地した私は思わず突っ込んでしまった。
―まあいい、これで任務は終了だ。ちゃんとエリカに弁当は渡ったし、一件落着だろう―
私は大きく息を吐き、荒ぶる心臓の鼓動を少しづつ抑えた。
―しかし、朝から慣れないことをしたせいで、どっと疲れたな。もう今日の日課は後回しにして、家で一度ゆっくり休憩することにしよう―
私は重い足を引きずりながら学校を後にした。
家に帰るとすぐにベッドにゴロンと横になる。激しく動いたせいか私は睡魔にあっという間に襲われ、眠りに落ちてしまった。
「ただいまー。」
―ん?あの声はエリカ?ということは今は何時だ?―
朝っぱらからずっと寝っぱなしだったことに気づき、飛び起きる。時計のさす時刻は16時。
―やってしまった。今日の日課が…―
自分のだらしなさを後悔しているとエリカが私のベッドのあるリビングに入ってきた。
「ねぇお母さん、今日ね朝遅刻しそう―って走ってたらね、横から私の弁当箱が飛んできたの!」
「それ本当?」
「本当よ!私の胸に飛び込んできたんだから!中身もぐちゃぐちゃだったし。」
―そりゃあ屋上から滑空すればぐちゃぐちゃにもなるだろう。エリカにはすまないが輸送料ということで我慢してくれ―
「お弁当が『忘れ物だよぉ。』って言ってエリカのとこに飛んで行ったんじゃない?」
エリカの母は冗談で言ったつもりのようだが、エリカは結構真に受けたらしい。
「弁当箱ってすごいね。空も飛べるなんて。」
そんなわけあるか、と思ったが、ここで私が理由を話し出すと面倒くさいことになるので黙っておいた。
―まあ、仮に名乗り出ても多分気づかないだろうがな―
私はそんなことを考えながら、ふわぁとあくびをした。
「ねぇ、タマ。あなたも弁当箱みたいに空を飛べればもっとかっこいいのに。」
エリカは興奮しているらしく、1人でずっとしゃべっている。いやいや、かっこいいとは照れるじゃないか。
おっと自己紹介をまだしていなかったな。「私」の名前はタマ。どうやら「私」のような存在は『ペット』や『猫』と呼ばれているらしい。
―まぁ、空を飛べる猫は私だけだろうがな―
私は心の中でマウントをとりながら本日3度目の眠りについた。
この作品のテーマは「ペットの猫を主人公にして、読み手に猫と気づかれずに終わりまで書けるのか?」です。出来れば、その点についても感想を書いていただけるとありがたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。