3−3心の支えそして生徒会の仕事
美粉はあれからというもの家に遊びにも来なくなってちょうど一週間になる僕もそろそろなんとかしようとしているのだが美粉に会うと、彼女は僕を避けて逃げてしまう。しかし、僕は美粉になにか悪いことをしたという思い当たる節はないし。
「一体、僕は何をしたんだろう」
廊下でつぶやいていた僕にリーナが声をかけてきた。彼女は相変わらず廊下を通るたびにその美貌で男性をメロメロにしてしまうみたいだ。
「どうしたのリーナ」
僕が声をかけるとリーナは後ろに隠すように何か紙切れのようなものを持ちながらぼくに近ずいてくる。彼女が一歩一歩近ずいてくるたびに髪のいい匂いがする。
そう、まるで彼女の髪と同じユリのように。リーナと目線が合うと彼女は顔を真っ赤にして目をそらして言った。
「こ、今週の土曜日ひま?」
「ひまだよ」
(あっさり、言っては見たがそういえば真紀さんともそんな約束したような…)
「実は、たまたま遊園地のチケット持っているんだけどよかったら行かない?」
彼女にそう言われたものの真紀さんとの約束があり、僕はリーナに暇だよっと言ってしまった。しかし、真紀さんとのデートがあるなんて言ったらリーナは間違いなく怒るしそれに、真紀さんとのデートも遊園なのだ。(万が一二人の場所が同じだったたらもっとめんどくさいことになるな〜)
「ん〜」
僕は全くリーナがいることを忘れていてその場で1分ぐらい何も言わないまま棒立ちだった。待つのに耐えきれなくなったリナはすこしキレ気味に僕に問いかけてきた。
「どっちなの!」
「い、行きます」
(真紀さんには悪いけど後で電話して日曜日のデート断るか)
彼女の強い問いかけに思わず癖で行きますとは言ってみたものの真紀さんにどうやって断るかを考えていると、デートの時間と場所を教えてくれた。
「場所は、駅前のところで10時に待ち合わせね」
「分かった」
そう言うと彼女は鼻歌を歌いながら教室へと戻って行った。僕が色々と困って頭を抱えていると瞳が盗み聞きをしていたみたいだ。さすがと言いっていいほど村田大将の娘なだけはある。僕はリーナがいなくなるまで彼女の気配が全く感じられなかった。
「刀馬さんも色々と大変ですね」
(そうですよ、例えば許嫁とか許嫁とかの事でとても大変ですよ)
そう言って彼女はおしとやかに笑いながら僕の後ろにいつの間にか立っていた。ちょうどお昼のチャイムがなって彼女はもじもして顔を赤くしながらながら僕に言った。
「刀馬さんは昼食などは取られましたか」
「いや、まだだけど」
と僕が言うと彼女は嬉しそうにして顔を上げたが僕と目があって顔を下にそらした。
(どうして、彼女たちは僕と目が合うとそっらして顔を下に向けうのだろう?)
「でしたら、お弁当を作りすぎてしまったのでご一緒にお庭でお食事などはいかがですか?」
「ん〜」
僕ははたまた長い時間何かを考えていたらしくて、僕が瞳の事を嫌っているんじゃないか私がいるのを嫌がっているんじゃないかと彼女は思ったらしく彼女は泣き目になりながらいった。
「と、刀馬さんは私とお食事をするのは嫌いですか?」
「そ、そんな事ないよ一緒に食べよう」
瞳をエスコートしながら僕は階段を一歩一歩ゆっくりと彼女と降る。降った後彼女は僕を引っ張り、もう片方の手にはお弁当らしきカゴを持ってどこかへ連れてこうとするのでどこの場所で食べるか聞いてみた。
「どこで食べるの?」
「昨日見つけておいたとっておきの場所があるんです」
と言うと彼女は走り出して僕を校舎の裏にある大きな木下に連れてきた。着くとその場所をキープしていた瞳担当の女羊が困った顔をしていて木から少し離れた場所にいた。何があったのかどうしたのか女羊に聞いてみた。
「どうしたんですか?」
「それが、お嬢様のご指示の通りそこにブルーシートをひいて待っていたのですがそこにいる女連中がそこの場所を占拠してしまって」
彼女たちの平気そうな顔を見てすこし頭にきたのでなんとかしようと思い彼女たちの方に僕が向かっていこうとすると瞳が止めて言った。
「私がやりますので」
と、彼女はにっこり笑いながら彼女たちの方へと向かっていく途中彼女は剣を出して言った。
「そこは、私たちが先にとっていた場所なので退いていたたげませんか」
あまりにも急に剣を向けてくるので彼女たちは剣を抜いて構えた瞳の問いに彼女たちの一人のお嬢様ぽいリーダ格の女が言った。
「嫌に決まってるじゃないですの」
と、彼女たちのリーダーが言うと瞳は笑ていた。その瞬間彼女は僕の前から一瞬姿が見えなくなった。そして彼女が剣を納めた瞬間その場にいた彼女たちは全員倒れていた。瞳の命令で女羊が保健室に彼女たちを運んで行った。彼女は一度ため息をつくと僕にまるでさっきのことがなかったかのように言った。
「さぁ、お食事を準備したので食べましょう」
「う、うん」
僕がすこし動揺しているのを瞳は見ると彼女はフフとおしとやかに笑いながら座ると片手に持っていたカゴの中にあるサンドイッチを取り出し僕に渡しながら彼女は言った。
「刀馬さん、私強くなりましたか」
「うんそうだね、すごく剣さばきが上手くなったね」
(実を言うとこのレベルだと第一部隊に入れるレベルなんですけどね)
と言いい僕が褒めると彼女は頬を染めてどうしてそこまで上手くなったかを手で太陽の光をふさぎ空を見上げながら昔の僕たちの遊んだ時の事を語り始めった。
「私、実はセルスティーナさんに追いつきたかったのです」
彼女はセルスティーナのことがとても大好きだったので、すこし複雑そうな顔をして話始めた。五分間ぐらい話を聞くと彼女はセルスティーナ憧れていたが同時に嫉妬していたらしい。僕とセルスティーナはうちの道場でトップで日本の剣術大会でも総なめだった。対して瞳ちゃんはその頃剣術をうちの道場で始めた。彼女は初級から始めたのでまだ上級者の僕たちとは剣を向けられなかった。それに、三人とも同級生でどの習い事も瞳は後からだった。とある日、僕とセルスティーナが恋人同士になったことを知った。それを知った瞳は剣術でも恋愛でもセルスティーナに負けたくないと思って今日まで努力してきたそうだ。しかし、セルスティーナがいなくなって彼女は自分がどの道に行けばいいか見失ってしまったそうだ。
(セルスティーナが居なくなって僕は人生のどん底に一回落ちたしかし、そいうい苦しみをして居たのは僕だけじゃなかったんだ)
その瞬間急に僕の人生が大きく変わった。泣いている瞳に僕は彼女を抱きしめた。そして彼女の耳元で甘い言葉をささやいた。
「大変だったね」
と言うと彼女はもっと泣き始め最終的には学園長室に呼ばれるはめになった。学園長室のドアを開けると初っぱなからスリッパがものすごい速さで飛んできた。そして姉さんは机をたたき立ち上がって言った。
「どういうことだ刀馬!」
「どうって…」
「瞳を泣かして、終いにはその瞳を抱くだなんて」
姉さんは瞳を泣かしてのとこまではいいが抱く、と言うところだけなぜか頬を真っ赤にして恥じらう。
「ごかいをうむような事を言わないでくれ、姉さん」
(てか、姉さんテンプレと外れてるし)
姉さんは恥じらうように僕と目を合わせずにあちらの方を向いて言った。
「と言うか刀馬、大胆だな」
「だから誤解だって姉さん」
その時だった、学園長室のドアをノックして入って来たのは瞳だった。瞳が入って来た瞬間姉さんは大きな声で立ち上がってまるで瞳に飛びかかるいきおいで言った。
「瞳たん!いや、来たな村田」
「あの、お姉さまその学校ではその呼び方は…」
瞳が困った顔をして僕が呆れた顔をしていると姉さんはすこし頬を染めて強気な口調でまるで何もなかったように言った。
「いや、私は何も言ってないぞ」
(いや、姉さん今確かに言いましたよね…)
「刀馬さん、先ほどはお見苦しい所を見せました」
瞳はそういうと僕に頭を下げた。顔を上げると彼女と目が合った、彼女のまだ左手に持っているハンカチで自分の目に涙が残ってないか確認する。しかし、彼女には感謝しても仕切れない。
「こっちらこそありがとうおかげで、大切な事を思い出せたよ」
目の前にいた姉さんは僕と瞳のすこし重い空気を消し去るかのように手を一回たたき僕のことについての話に切り替えた。
「それはそうと、刀馬お前には話がある」
「生徒会の仕事だ、お前生徒会長だろ」
姉さんが言おうとしている事が全く想像がつかなんかったがどっかの武器やで違法な武器見つけたりテロ組織制圧なのどがあり自分が学園の生徒会長という事を僕はすっかり忘れていた。
「あ、すかっり忘れてた」
「お前以外の生徒会の連中はもう剣術祭の準備に取り掛かっているぞ早く生徒会室に行け」
と、姉さんに言われて僕は慌てて生徒会室に向かおうと学園長室のドアをつかんだ瞬間瞳が僕の服をつかんだ。どうしたんだ、と聞こうとしたがその前に瞳が涙が止まったばっかですこし震えた声で言った。
「あの、私も生徒会のメンバーなので」
僕は姉さんの方を見ると姉はまるで瞳がもともとこの学園に入ってきてもともと生徒会に入ってくる予定だったみたいだったみたいな顔っぷりだ。
「瞳も生徒会のメンバーだぞ」
と、姉さんが言ったのでとりあえず急いで瞳の手をすこし強引に引っ張りリーナたちのところに向かっている途中、僕は姉さんの過去の曖昧な言葉と村田大将の曖昧な言葉が重なってることに気がついた。
(これは、姉さんと村田大将に一杯食わされたな)
僕は呆れた表情で頭を抱える。今まで彼らが言っていたことはけして僕には伝えられないことだったからだ。なぜならば、前僕のいた学校の時に村田大将が娘たちを僕の学校に入れようとした。しかし僕は断固拒否した、なぜかと言うと昨日の瞳が転校して来た時みたいに僕の正体がバレるからだ。もし僕の正体がバレたら学校を転校しなければ行けない。しかし、なぜばれても僕はこの第一剣術学園にいられるのかと言うと小早川家が代々学園長を務める学園だからだ。しかし、いくら小早川家とはいえ情報規制したところで漏れる確率は極めて高い。それに、今回生徒会が運営する剣術祭や国際剣術祭での警備ができなくなる。なぜかというと、強いものは敵にマークされやすいからだ。結論から言うと大将と姉さんは僕が仕事と学園生活どっちを選ぶと聞かれたら仕事を必ず選ぶから今回は警備に当たるより学園生活をしろと言う事だ。それに、姉さんの事だから国の剣術祭で鷹花に復習できると言う事だろう。
そんな事を考えていたら僕は前も見ず生徒会室ドアに頭をぶつけていた。あまりの強くぶつかった音がしたので生徒会のメンバーがドアの前まで来てリーナが少しだけ顔を出すとそこには倒れた僕とそれを気を使う瞳がいた。
「大丈夫ですか刀馬さん?」
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
この光景を見ていたリーナは恨めしそうにこっちを見てくる。康彦がまた悪巧みというかただ空気の読めないというか火に油を注ぐタイミングでリーナをまた怒らせる一言を言った。
「どうすんの、このままじゃあ瞳ちゃんに刀馬取られちゃうよ〜」
相変わらず康彦がクスクスと笑いながら僕たちの関係をいじるのを楽しんでいる。リーナはリーナで少しふてくされて生徒会室の中に入ってしまった。後を追うように生徒会室に入るとまた見たことのある女の子が座っていた。(まさか…)
「お兄ちゃん!」
と抱きついて来たのは予想どうり実里ちゃんだった。まぁなぜがは知らないがリーナがまるっで嫉妬しているかのように何も言わず机の上にドスンと僕の仕事する分の30センチぐらいの厚さのある資料をくれた。
「あのー、リーナさんこれを全部パソコンに打ち込めば良いんですか?」
「そうよ、あなたがサボっていた分、私たちの5倍の量よ」
と、彼女が笑ってる間に僕は一瞬で終わらせた。リーナが振り向くと僕と瞳は仕事をすでに終えており帰る支度をしていた。あまりの速さにリーナは驚いて腰を抜かしてこちらを見ていた。リーナがこっちを見ていたので話しかけて見た。
「どうしたんだ、リーナ」
「貴方達、どうしてそんなにハイスッペクなのよ?」
彼女が少し意味のわからない事を言うので僕たちにとっての普通の業務と言うものを彼女に教えた。
「日本剣士軍の報告書やら始末書なんて一人特に俺たちのレベルだとこれの100倍あるからな」
「100ば…」
「じゃあ、お先に」
と言い僕はコートを着て生徒会室のドアを閉めた。生徒会室は暖房が効いてて温かかったが廊下に出ると温度はものすごく寒かった。そこで、美粉のクラスメートの女の子が廊下を通ったので声をかけたら手が滑って壁ドンをしてしまった。
「あのさ、きみ妹は今日学校来た?」
「い、いいえ来てないです」
「ありがとう」
と言って僕は寒い真冬の中廊下を一人で歩いて行った。
(いつもなら、美粉が一緒なのに…)
こうして、僕は学園の剣術祭に向けて着々と生徒会のみんなと準備を進めているのであった。




