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才能無のゴーレム使い  作者: クロ
一年春学期
7/37

第7話 クラスメイト

久しぶりの投稿になってしまいました。申し訳ありません。

今回は、キャラクターの自己紹介場面が主となっています。

分かりにくいところもあると思いますが、是非読んでいってください。

ラウン先生を先頭に10名の生徒が体育館を出る。

その中で俺達ーシモンを背負っているためーは最後尾を歩いていた。

ちょうどいい機会のため、クラスメイトの様子を観察する。


やっぱり一番目立つのはラウン先生の両腕に抱えられている生徒だ。一人は銀髪の男子生徒、もう一人は赤髪の女子生徒。

先ほどのラウン先生に投げ飛ばされたのか、意識が無いみたいだ。その後ろには茶髪の男子生徒を中心として女子生徒達が楽しそうに談笑している。


うらやましい。俺も女子学生と談笑してみたい。


滅多に女性と接する機会が無かったので、話してみたいのは山々だけど、あの中に入るのは無理そうだ。

更に後方にはー俺たちのすぐ前ー無言で歩く男女がいた。一人は男性。赤みがかった金髪が特徴的で中々いけめん顔だ。うらやましい。

女性は二人いるが、両方とも本を読んでいて話しかけるなオーラを出している。

一人の女子生徒は顔の半分が綺麗なストレートの銀髪で覆われており、前が見えにくいと思うのだが、その状態で本を読めるのか?


等と疑問に思いつつ、クラスメイトを眺めている間に教室に着いてしまった。

教室の位置は学院校舎の5階に位置しており、廊下の窓から他の校舎に囲まれる形で造られている中庭を見ることができた。

「お前等、席は自由に座っていいから早く教室に入って席に着け」

窓からの風景を楽しんでいると、ラウン先生から号令がかかり、クラスメート達が次々に教室に入っていく。

後に続く形で、俺たちも中に入る。

教室には、教卓と黒板、それに5×6列に30セットの椅子と机が並んでいた。

あきらかにクラスの使用人数に比べ机の数が多すぎる。


好きな席に座っていいとのことだったので、廊下側とは間逆にある窓際の列の最後尾に座る。

この席は日当たりがよく、気持ちがいい。ちなみにシモンは俺の前の席に座らせてある。

シモンを席に座らせた際に幸せそうな顔をしながら、机にうつ伏せになっていたので、どうやらこの席を気に入ってくれたみたいだ。


他の生徒もそれぞれ自由に席を決め、着席している。

茶髪の男子生徒が教室のど真ん中に着席すると、その男子生徒を中心に2人の女性とが左右に分かれて座る形になった。

話しかけるな雰囲気を醸し出していた生徒達もまばらに座っているようだ。

教室に来るまでにできていたグループがそのまま反映された席順になっている。

その中で、ラウン先生によって気絶させられた二人ー銀髪の男子生徒と赤髪の女子生徒ーは教卓の前の席、ひいては先生の前に座らされていた。

先生から格好の餌食になる未来が容易に想像できる席だ。かわいそうに。

心の中で犠牲になった二人に対し、お祈りを捧げておく。


「席に着いたな。それではHRを始める。といっても、今日は自己紹介と明日からの予定を連絡するだけなので直ぐに終わる予定だ。」

ラウン先生が生徒全員を確認するため教壇から教室全体を見渡す。

一瞬、俺に視線が向いたときに先生の口角が僅かに上がったように見えたのは気のせいだろうか?


「まず俺からだな。入学式でも話したが、名前はラウン。指導科目は体育だ。体育は複数の教員から選ぶ形式のため、直接指導することが無いかも知れないが、学院で分からないことがあれば何でも聞いてほしい。以上だ」

何故か自己紹介が終わると拍手が起こった。廊下側の学生から順番に自己紹介行うようにラウン先生から指示を受けたため、水色髪が特徴の女性が自身の席から立ち上がる。何故か片手には読みかけの本を携えている。


「ユーリです。よろしく」


簡素な自己紹介のみを行った女子生徒≪ユーリ≫は席に座るなり読書を始めてしまった。先生も苦笑いだったが、次の生徒に話を振った。

次の生徒は教室に着くまでの間に茶髪の男子生徒と楽しく談笑していた生徒である。


「リリアナと言います。実家の関係上算術が得意ですので、計算で分からないことがあれば気軽に聞いて下さい。以上です」


何となく融通の利かない堅い性格の子だと思ってしまった。彼女はペコリと頭を下げて着席する。

女生徒と代わるように、茶髪の男子生徒が立ち上がる。

生徒全員を一度見渡している。

「僕の名前はマゼフ。自分で言うのもなんだけど、人より突出したものは特に持っていない代わりに全てが平均的だと思ってます。そんな僕ですが、気軽に話しかけてほしいかな」


自己紹介にお世辞を入れてくる辺り、少なくとも俺よりも話し上手な気がする・・・

むなしくなるだけだから、考えないことにしよう。


「えーと、次は私かな?私の名前はローゼっていいます。マゼフ君が言っていたから私も続こうと思うけど、私は人よりも幸運の持ち主だと思ってます。不幸に感じる日があったら、私を拝むといいよ!以上」

続いてはローザという女生徒の自己紹介。やけに自信満々なところが凄いと思ってしまった。


「グリルだ。これから同じクラスの一員として仲良くしてほしい。」

次は赤みがかった金髪が特徴的な美形の男子生徒だ。実に無難な自己紹介と思ったが、グリルはまだ着席をする気はないようだ。

「尚、俺に話しかけるときは冷めた目をしながら”おいブタ”等軽蔑するような呼び方で呼んでくれ。他には・・・」

途中から自身の体を抱きしめつつ、クネクネと体全体を揺らし始める。

さすがにクラス全体が若干引き始めたため、ラウン先生による拳骨により、意識を刈られていた。心なしか笑顔になっているのが怖い。

ラウン先生も苦笑い状態だった。


「ウォッホン。気を取り直して次の生徒に移ることにする」

先生が咳払いを行いクラスの雰囲気を一度リセットする。他の学生も今の学生のことは一旦忘れるように努力しているようだ。


「えっと、わ、私はクレサと言います。よ、よろしくお願いします」

ワタワタと自己紹介しているのは銀髪で顔の半分が覆われている子だ。

緊張しているのか、人と話すのが苦手なのか、所々言葉が詰まっていたが、仕草がかわいかったので許そう。

うん、可愛いは正義だからな。


次は・・・シモンか。

俺の前に座る人物に視線を向ける。まだ寝ているようで起きる気配が一切ない。教壇に立つ先生が頭を抱えていた。自己紹介を聞く限り、何名か個性が強い学生がいたもんな。

気持ちは分からなくもないので、同情だけはしておこう。


「今、意識のないものは後日に回す。最後の生徒自己紹介してくれ」

余計なことを考えている間に俺の番が回ってきたようだ。

なんだか、丸投げされた感じがする。

席を立ち上がりクラスを見渡す。

当たり前ではあるのだが全員が俺に視線を向けていた。


少し深呼吸。緊張している体をほぐす。

「どうも、アルベルトといいます。仲のいい者からはアルと呼ばれているので皆さんも気軽にそう呼んで下さい」

緊張のあまり、話す内容が上手くまとまらなかった。

人前で話すのはやっぱりまだなれないようだ。


ほぼ全員の自己紹介が終わったため、ラウン先生が教壇から会話を挟んでくる。

「自己紹介は終わったな。それでは明日以降の予定を話す。明日から授業を開始する。遅刻は厳禁だ。既に知っていると思うが我が校では午前中に座学・体育を行い、昼からは自由時間を取ってもらうことになっている。自由時間を利用して休息を取るもよし、己を高めるもよし。とにかく自由に時間を使ってもらう。必要ならば、学院側に外出届を提出すれば外出も可能だ」


授業に関することは事前に連絡が来ていたため、知っている内容のおさらいみたいなものだった。

昼に終わる予定なら、外出届を出してアリアナおばさんの店を手伝っても良いのだが、おばさんには既に断られてしまっているからな~。


「また、今日から新入生には学院にある施設を全面開放するので各自好きに利用してもらってかまわない」


全て使っていいと!

実はこの学院に入学した最大の理由は学院にある図書館が目的だったりする。

そのため、先生の一言で自分でも驚くほどの高揚感が沸き上がっていた。

早くHR終わらないかな。


「最後に。これも事前に通達していたと思うが、新入生には研究会又は何らかの活動団体に所属する事が義務付けられている。そのため、1ヶ月以内に所属する部活動を俺にまで連絡するように。話は以上だ、解散。」


先生は教壇から降り扉から出て行った。

それに続き、教室を出て行くもの、教室で談笑を始めるもの等。各々自由時間に向けて行動に移っている。

よし、自由時間だ。早速図書館に行こう!

俺も目的の場所に向かうべく行動を開始する。


しかし、自分で立てた予定など直ぐに崩れ去ってしまうもので・・・

「言い忘れていた。アルベルトはこれから俺と一緒に来てもらう場所がある」

教室を出た俺は何故か笑顔なラウン先生に捕まったのだった。


俺の図書館~!

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