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才能無のゴーレム使い  作者: クロ
一年春学期
11/37

第11話 授業開始

「というわけで、今日から部活勧誘期間となる」

教壇には人族にはない尖った耳が特徴のラウン先生が立っていた。

今日も相変わらず元気そうである。


朝のHRではクレス先輩が話してくれたとおり、部活勧誘の話が知らされた。

毎年この時期は、新入生を獲得するべく多くの部員達が部の成果の発表をおこなったり、実演したりと自身の部をアピールする期間となっているらしい。


「なにそれ、楽しそう!」

元気な声がクラスに響く。

ショートヘアの赤髪の女子生徒が勢いあまり思わず席から立っている。

昨日の紹介の時に気絶していて自己紹介していない子だ。

今の様子を見ただけで、かなり活発な性格の女子だと理解できた。


案の定、ラウン先生がひきつった笑みをしている。

「あー、アドミラ。気持ちは分かったが今は俺が話している最中だ。とりあえず落ち着け」

「はーい」


あの女子はアドミラって言うのか。

先生の一言で席に着くアドミラがワクワク顔で先生を見つめている。

何がそんなに楽しいのだろう。


「ゴホン!とにかくだ。内容は部によって違うが、どの部活動も面白い催しを行っているはずだから、各自で楽しむように」


話を一旦打ち切るように一呼吸挟む先生。


「それと、今日から授業が開始する。各自存分に学ぶように。・・・・あぁ、言い忘れていたが男女で一名ずつクラス委員長を決めておいてくれ」

「クラス委員長とは具体的に何をするのですか?」


挙手をした後、会話を挟むマゼフ。

昨日と同様に両脇には二人の女子学生が陣取っている。

まぁ、二人とも会話に入る気がないのか無言を貫いているが。


「そうだな。基本的にはクラスのまとめ役と考えてくれて構わん。HRや授業時の開始と終了を号令する係になるな」

「分かりました。ありがとうございます」

発言を終了したマゼフが着席する。


「何か聞いておきたいことはあるか?・・・・・ないようだな。それでは放課後までに決めておいてくれ」

辺りを見渡して特に質問者がいないことを確認したラウン先生がHRの終了を告げ、教室から退出する。


俺たちは授業が始まるまでこのクラスで待機することになっている。

授業開始まで10分。

特にやることがない状態だ。


しかしこいつはいつ見ても気持ち良さそうに寝ているな・・・

前の席ではシモンがいつも通り気持ちよさそうに眠っている。


朝食を食べたばかりで、場所は日当たりのいい窓際。

クラスには適度の雑音・・・もといクラスメイトの話し声が聞こえてくる。


ふぁぁぁぁ~~


思わずあくびが出てしまう。

どうやら、俺もシモンの睡魔が乗り移ったみたいだ。

徐々に重くなっていく瞼に身をゆだね、そのまま眠りに落ちていった。


・・・・・・・・・

真っ白い空間。

さっきまで教室にいたはずが、今は何もない。本当にただ真っ白な空間に立っている。

どこだ、ここは?

辺りを見渡すも手がかりになるものなど一切なかった。

体を動かすことが出来たため、周囲の探索を開始する。

といっても、進めど進めど見える景色に変化はない。

次第に自分が進んでいるのか下がっているのか分からなくなってくる。

そして何より、先ほどから一つの幻聴が聞こえてくるのだ。


”私を・・・早く見つけて下さい・・・はや・・・く”


と。声は高いことから女性だと思うのだが、ノイズが入ってくるため、完全には聞き取れない。


見つけるってどういうことだ?

”あ・・・みつ・・・かんた・・・”


心の声が読まれたのか、返事が返ってくる。

しかし、ノイズがひどい。話が全く分からない。


”は・・や・・・く”

その声を最後に幻聴が消えてしまった。

さっきの女性は何を言いたかったのだろうか?

よく分からない状態だったが景色が白色から黒色に変わっていく。

何故か女性の声を俺は何処かで聞いたことがある。そんな風に思ってしまった。


・・・・・・・・・


ん?

右肩に何かが触れた気がする。

完全に閉じていた瞼を開く。

「うわっ!」

びっくりした。何で目の前に知らない女性がいるんだ。


「はぁ~、やっと起きましたか」

しゃがみ込んでいた女性が立ち上がり、腕を腰に当てる。

「私の授業で居眠りとは感心しませんね。廊下に立ってなさい!・・・・・と言いたいところなんだけど、最初の授業なので今回は見逃して上げます」


この女性は何を言っているんだ?


教室を見渡すと、俺以外の生徒がいないことが分かった。

あれ、他の皆は?

キョロキョロしていると先程の女性が声をかけてくる。


「私はロゼ。君たち二組の座学を担当する者です。そしてあなたが気にしている他の学生は実習室に行ってもらっているわ」

ため息をつきそうなロゼ先生が説明をしてくれる。


なんでも授業を開始しよと教室を眺めると、俺とシモンが爆睡しており起きる気配が見られなかったのだそうだ。


「そう言えば、シモンはどうしました?」

「あなたの目の前の子ね。あの子も先に起こして実習室に向かってもらったわ」


最後に、”何でこのクラスには特殊な子が集められているのかしら”と呟いていた。

「さぁ、早く実習室に向かうわよ」

俺は先生に促されるままに教室を後にした。


そう言えば寝ている間に夢を見ていた気がするけど何を見ていたんだっけ?

う~~ん

記憶を漁るも一切思い出せなかった。

まぁ、それほど重要なことでもなかったんだろう。

俺は夢に関して割り切ることにしたのだった。

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