エピローグ
二作品目の小説投稿です。短くてすいません、仕様です。だいたい三日に一度で更新していきたいと思ってます。
僕は「無能」だった。
何をやっても「無能」の烙印を押され続けられてきた。
どれだけ努力しても、どんなにへこたれずにやり続けても其れが成果として評価される事はなかった。
優秀な兄や姉がいるから仕方がない、なんて言い訳をしたくなかった。
だけど、現実は非情だ。
みんな、僕の事を嘲笑い、貶し、兄や姉と比べて失望していく。
僕に味方なんていなかった。
(どうしてこうなったのだろう……。)
僕は絶望しながら考える。首にはナイフが軽く当ててられており、うつ伏せにされている上から動けない様に僕にナイフを当てている犯人が馬乗りになっている。犯人は大きな声で周りを脅してる。
「おい、こいつを殺されたくないなら金を出せぇ!どうせボンボンばっか集まっているんだろうがぁ!早く金を出せぇ!」
その声を聞いても周りは動こうとしない。恐怖しているからだろう。身体が震えるだけで精一杯の様だ。すると遠くからバタバタと足音が聞こえる。警備員がやっときた様だ。周りの人たちを下がらせて、隊長らしき人が犯人に尋ねる。
「落ち着きなさい君。何故こんな事をするんだ。親御さんが悲しむぞ。」
「うるせぇ!ごちゃごちゃ言ってねえでさっさっと一億用意しろぉ!こいつを殺すぞぉ!」
犯人は隊長?の言葉を無視してわき喚くばかりだ。ふと隊長?と目があった。そこには安心しなさいとか必ず助けるからとか優しい目つきではなかった。
なんだこいつかと嘲笑う目つきだった。僕は恐怖した。こんな状況でも何故僕は蔑む目で見られなければならない。そして、ふと気づく。周りの人たちが皆、あいつだったかと安堵し侮蔑の目で見てくることに。まるで僕の兄や姉に迷惑を掛けるなと言っている様にも感じた。
この時、僕は本当の意味で理解した。
僕には味方なんていないことに。
心臓の音が耳元に聞こえてくる。理解したくなかった。どれだけ無能でも少しは自分を見てくれる人がいる思っていた。けど違った。こんな危機的状況なのに皆、僕を蔑んでくる。貶してくる。邪魔だと言ってくる。
気付いたら僕は犯人のナイフに向かって自分の首を切っていた。
場が静寂になる。あるのは首から大量に出血して倒れている僕と呆然としている犯人や周りにいた人たちだけだ。奇しくもこの時、僕はやっと自分を見てもらえたと思った。
いち早く我に返った隊長?が犯人を僕の上から蹴り飛ばした。
薄れる意識の中、こちらに走ってくる兄と姉の姿を見た。いつもの冷たい目つきでなく、何かに必死になって祈ってるかの様であった。
其れを最後に僕の視界は暗転した。
どうでしたか?まぁ、何も進んでいないのでなんとも言えませんが。
次回は長くなるはずですので楽しみに待っていてください。
ではでは。