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ゼロの男の物語  作者:
27/32

魔法植物採取依頼?の物語2

久しぶりの投稿です。

少し見苦しい感じがするのでそのうち手直しします。

それでもいいという方はどうぞ


俺達一行はたいした時間をかけることなく森についた。

木が鬱蒼と生い茂り奥には陽の光が届いていないと思える。


「さあ、行きますわよ」


リーラの合図と共に森の中へと入る。リーラとシャルの二人が先頭で、俺とオルトがその後ろをついていってる並びだ。森の中は当然道などないため少し足場は悪い。


「どこに依頼にある魔法植物が生えてんのか分かってて進んでんのか?」


素朴な疑問だ。


「奥です」


それに対して返ってきた答えはあまりに抽象的である。


「奥って……もしかしてあてずっぽうで進んでんじゃねーだろうな?」

「そんなことはありませんわ。きちんとした根拠の元進んでます。そうですわよね、シャルさん」

「うん〜。少なくとも昨日通った道をもとに今回のルートを組んでるからダークプラントに遭う確率も低いと思うよ〜」


シャルも同意しているし、いきあたりばったりというわけではないらしい。


「んで、その魔法植物とやらはなんなんだ?」

「ラスカウリという種の薬草で陽が沈んだ頃に花を開くと花冠の縁が白いレースのように広がって淡い光を放つんです。その光景は芸術的な美しさがあると言われてるんですわ」


……聞いたけどわかんね。

薬草に芸術的な美しさがあるとかいわれてもなぁ〜


「それなら暗くなってから来たほうが良かったんじゃねえの?」


女って綺麗なものには弱いし。


「ゼーちゃんは〜、夜になってさらに暗くなったこの森を歩きたいの〜?」


シャルに言われて考えてみる。

ただでさえ薄暗いこの光景がさらに闇に包まれると怪しさ倍増。幽霊のたぐいが苦手な奴なら近づきすらしない光景となるだろう。

でも俺はそうゆうの平気みたいだ。しかし好き好んでいくかと言われればダルいことこの上ない。

結論、どうでもいいけど積極的にはこない。


「消極的否定の方向だ」

「でしょ〜?だからさっさと採取して陽が出てるうちに戻った方がいいのよ〜」


まあ、別に花が光るとかどうでもいいしな。

それにしても


「魔物の姿が見えないな」


そこそこ進んでいるのにまだ一体の姿も発見できない。


「…………多分ダークプラントの所為」

「なんでまた?」

「怯えているんですわ……自分よりも圧倒的な強者の存在に。でも、今はそれが好都合と言えますわ。無駄な戦いもなく迅速に用事を済ませることができますもの」


まあ、確かに俺も病み上がりだしな。本調子ではないかもしれん。

でも、それを確かめるためにも雑魚の一体や二体はぶっ殺したかったんだけどな。

少し残念だ。


「だからと言って周囲の警戒は怠らないで下さい。逃げていない魔物もいるかもしれませんし、何よりダークプラントとの遭遇だけは避けなければいけません」


もっともだ。

俺としてはAランクの魔物と戦ってみたい気もするが、それはまた別の機会にしよう。

正直あんまりテンション上がんねえし……

などと思っていると


「ひょえ〜〜〜〜〜〜〜!」


という甲高い悲鳴のような変な声が後方から聞こえてくる。なんか聞いたことあるような声質の気がした。


「魔物の泣き声でしょうか?」

「ん〜でもこんなの聞いたことないよ〜?」

「…………悲鳴みたいだた」

「確かにな……」


無視していきたい所なのだが、さてどうするべきか……


「一応見てきましょう」

「そうだね〜誰か人がいるのかもしれないし〜」


リーラとシャルが振り向いて歩を進める。


「俺はここにいるから」

「……わかりました。オルトさんもゼロさんと共にここにいてください。シャルさん行きましょう」


一時失敗組ととばっちり組に分かれての行動となった。

オルトを残したのも負い目から疲れないように気を遣ったのだろう。

とりあえず近くの倒木に座ってリーラ達が帰ってくるのをオルトと二人待つことにした。




〜SIDE ラキナ〜


こっそりとキシワ=ゴミクズ達のあとをつけておるのじゃ。

留守番はぜんぜん楽しゅうない。わらわはシュナイゼル皇国へと嫁いでしまえば自由に行動することは出来なくなるだろう。

今の期間はパパ様に無理を言って了承を得た大切な時間なのじゃ。無為に過ごすのだけは嫌じゃ。

それなのじゃから仲間外れなど許さぬ。

Aランクの魔物?

そんなものはエレナがおれば大丈夫じゃ!

いざとなれば途中で拾ったハゲのシスコンを囮に逃げれば良いしの。

ん?そういえば森に入ってしばらくしてからハゲの姿が見えなくなったの。


「エレナ。ハゲがおらんぞ?」

「多分妹さんをストーキングしているのでしょう……あの役立たずめ」

「ふむ、困ったのぅ。あやつはキシワ=ゴミクズ達を見失った時の切り札でもあったのじゃが。」

ハゲには妹がどこにいるのかわかるという特殊能力があるらしいからの……


「姫様、急がないと見失ってしまいますよ……ただでさえ遅いんだから」


エレナの声に歩くスピードを上げる。

切り札がない以上、見失っては大変じゃ。


「ところでエレナ、わらわは喉が渇いたのじゃ。なんか飲み物が欲しいのじゃ」


昨晩のうちに持っていく荷物は全てエレナによって準備されておる。

わらわは振り返ってエレナに飲み物をねだったのじゃが


…………………エレナがおらぬ。


忽然とその姿を消しておる。

隠れてるのかとも疑ったがどっちにしろ姿が見えぬことに変わりはない。

妾はなぜかこんな薄暗い森の中で一人になってしもうた。

「エ、エレナ……どこにおるのじゃ。悪ふざけはやめよ」


静かに辺りに声を向けてみるが帰ってくるのは静寂だけじゃ。

怖い。

ただ一つ、その感情のみが妾を支配する。

これは怒られるの覚悟でキシワ=ゴミクズ達と合流すべきじゃろうか……うん合流しよう。

そう思い前方へと走り出す。

しかし、それと同時に何者かに首根っこを捕まれて持ち上げられてしまう。


「ひょえ〜〜〜〜〜〜〜!」


ついつい口から情けない声が漏れてしもうた。

わらわはこんなんでもこの国の姫じゃ。

もしや身代金目当ての誘拐かとふと思うたが、わらわを捕まえている存在は人ではない。でもエレナの悪ふざけじゃったらいいなと顔を向けた先に見たものは角の生えた白い馬じゃった。

その姿を見たときわらわの思考は停止してしもうた。



〜SIDE ゼロ〜


あいつらが来た道を戻ってから30分ほど経っただろうか。

一向に帰ってくる様子がない。


「おせえな……ウ〇コでもしてんのか?」

「…………二人とも?」


いや、それはないわ。

小さい方やら化粧直しにトイレに多人数で消えることはあれどでかい方に連れ立って行くなんてありえないだろ。

それでも一緒に行くという人物がいるのならばデキてることを疑うしかない。

……もしかしてデキてたりすんのか?

やだ、いつのまに?

おっと、取り乱すな俺。

もともとリーラはシャルが好きなんだ。知らない間に告白とかしてて付き合うことになってる可能性も否定できない。

いや、待てよ……

よく考えてみるとシャルがリーラの告白を受け入れるのか?

確率は低いな……

んじゃあ、なんで遅れてるんだ?

シャルが大きい方をしていて、んでリーラがそれを陰から覗いてる的な?

おお…これだ!

これなら納得できる。

リーラがど変態となっているが二人が付き合う可能性よりも遥かに高い。

そんな凶行は止めてやるのが世界のためだな……


「しょうがない。探しに行くか……」

「…………おけ」


二人で共に立ち上がり二人が向かった道へと進む。


周囲を見回しながら進んでいくが一向に二人の姿は見えない。

どこまで行ったんだ?

いい加減疲れてきたぞ。

つーかもう少しで森を抜けちまう。


「引き返すか」

「…………無駄な労力をつかた」


確かに……

黙って待ってりゃよかった。

元来た道を戻る俺達。

そんなときだ視界の端に白い何かが映ったのは


「おい、見たか?」

「…………見た」


すっげえ綺麗な馬だったなぁ……

野生の馬だろうか?

普段俺達が目にする馬は人によって飼い馴らされておとなしくなっているが、本来の馬は気性が荒い魔物で、群れをなして行動するらしい。


「…………子供が捕まてた」

「いやいや嘘だろ」


そんなの見えなかった。

しかし、いいな〜アレ。欲しい。

必要ないといえば全くないんだが、あって困るのは餌代くらいなもんだ。

売ればそこそこにはなるだろうし、最悪食える。


「あいつ捕まえっか……」

「…………リー達は?」

「ほっとこう!もともとあいつらの不手際だ」


そう言って白い馬の元へと歩き出す。

その姿はすでに見えないが向かった方向はわかる。

頼むから真っすぐ進んでてくれよ。



程なくして森の中の泉へと出た。

そこにいた白い馬を見て、無神論者ではあるが神がいたらよくやったと褒めてやりたい気分になった。

んでもなんで


「ちびガキがいんの?」


なぜかラキナが白い馬のそばにいた。

一心不乱に泉の水をさながら家畜のように飲んでいる。


「…………子供捕まえてるて言た」

「本当だったのか……つーかそれがラキナだって言うんなら教えろ」

「…………そこまではわかんなかた」


んじゃあ仕方ないか。


「んでどうすっか?ノープランできた上に予想外の事態だ。アレら捕まえる魔法とかあるか?」


手をピースにして指の先を馬とラキナのそれぞれに向ける。


「…………ラキも?」

「ガキに関してはお仕置きの意味も込めてだ」

「…………捕縛の魔法はある」

「んじゃ、やれ」

「…………だめ」

「なんでだよ?」

「…………あの魔物がユニコーンだから」


ユニコーンってなんだ?

よくわからんが上等な馬ってことか?

よく見りゃ頭から角生えてるしな。

ますます欲しくなった気がする。


「んじゃあ、真っ正面から行くか」

「…………え?」


ユニコーンとラキナに近づいていく。

数歩進んだところでユニコーンがこちらに顔を向ける。


【なんやアンタ?】


いきなり直接脳に響く感じで声が聞こえる。

……幻聴か?


【いや、なんで近づいてくんねん。ワイは男に擦り寄られる趣味はないんやけど】


もしかしてこの馬が喋ってんのか?

……ないない。

馬は喋りません。


【いや、喋ってへんよ?心に話し掛けとるんや】


幻聴が若干自分と会話をするかのようになってきた。

最近疲れることばかりだからな。

脳がどうにかしだしたらしい。


【兄さん現実見ようや。ちゃ〜んとワイと話しとるやん】


………………


…………


「うっせんだよ!駄馬っ!」

【ええぇ〜………いきなりキレるとか初めての反応やで】

「ん?おお、キシワ=ゴミクズではないか!なんじゃ偶然じゃのう」

「なにが偶然だちびっ!てめぇ俺らについてきただろう?」

「はっ!そういえばそうじゃ……いやっ、違うぞ?たまたま散歩してたら偶然ここにきての」


ぐだぐだと言い訳を連ねるラキナ。しかし最初にもう白状してるので意味ないんだがな……


【なんや、ラキナちゃんの知り合いかいな】

「まあの」

【ほな、男は嫌なんやけど仲良うしたるさかい】


なんか偉そうでムカついたので、ちょうど耳を掠るだけになるように黙って銃を引き抜いて馬を撃った。


【ほわっ、な、なんやねん。この兄さん頭おかしいんとちゃいますか?ムカついた思うた瞬間攻撃してくるとかどこの凶人やねん】


なんかこいつの言動からして心を読めるのではないかと推測を立てる。


【兄さん大当たりや!心を読むんはワイの能力の一種や。どや、すごいやろ?】

「うぜえだけの能力だろ」

【なにゆうてんねん!この能力さえあれば好きなあの娘が自分のことどう思っとるかわかんねんで?】


なんか疲れんなコイツ。


「…………本と違う」

「なにがだよ?」

「…………本ではユニコーンは清廉て書いてた」


確かに清廉ではない感じがひしひしとする。


【フッ……わかってへんなぁ〜。ワイ、めっちゃ繊細やねんで?】


確かに清廉ではない感じがひしひしとする。


【え?あれ?なんかさっきと同じな感じが……】


確かに清廉ではない感じがひしひしとする。


【三回きたか……完全に流す方向やな。】

「んでなにがどうなってこうなってんだ?よく見りゃメイドもいないし。説明しろ」


ラキナと、とりあえずユニコーンに向かって告げる。

まさかメイドに黙ってついてきたんじゃ……


【メイド服のエロい姉ちゃんはな……ダークプラントに捕まってしもうた】

「らしいのじゃ」


は?

なんだソレ……


「わらわはこやつに助けられたということみたいじゃ」


ラキナはユニコーンの方を見る。


「……ホントか?」

【ホンマやで?おなごのエエ匂いがするなって近づいたらちょうどメイドのお姉ちゃんが捕まっとってな。まあ、パンツも見たから結果的には得やったけど】


嘘臭い……


【嘘ってなんや。ユニコーン嘘つかな〜い】

「…………と言われてる」

「……まあいい。とりあえずラキナを森から連れ帰ろう」

「エレナ助けにいかんのか!?」


ラキナが俺の言葉に憤慨するが、


「足手まといがいたらどうにもできねえだろ」

「……うぅ」


続く俺の言葉に声を失う。

頭は足りないが、悪いわけではない。

俺の言う足手まといが自分だということはしっかりと理解できていることだろう。


【せやけどはよせんとメイドの姉ちゃん死ぬで?】

「なっ……キシワ=ゴミクズ頼む!エレナを助けに行ってやってくれんか?」

「断る。勝手についてきたお前らが悪い。自業自得だ」

「頼む!」


頼まれてもな……

すでにこいつの頼みはおっきなのを一つ聞いてるわけで、ぶっちゃけ嫌だ。

まあ、メイド……エレナだっけ?も姫を守るために殉職しました。で綺麗に人生終われていんじゃねえの?ちょっと脚色すれば大衆好みの英雄的存在になれると思うぞ。


【なんか色々と人としてそれどうなの的なこと考えとるとこ悪いんやけど、あんたら他にお仲間おる?】


ユニコーンが俺に声をかけてくる。

仲間ってリーラ達のことだろうか?

正直に話すべきか?


【いや、考えた時点でワイにはわかるから。そか、おるんか】

「……それがどうしたんだ?」

【多分やけどその娘っ子たちも捕まっとるで?】


マジかよ……


これは魔法植物採取依頼?の物語の一幕



エセ関西弁のユニコーン登場です。

関西は高校のときの修学旅行のときでしか行ったことないので雰囲気です。

関西の方すいませんm(._.)m


ユニコーンはこの物語独自の設定がそこそこあるのでちょいちょい説明があるかと思います。

とは言っても説明係はいないんですよね……


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