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45 バイト中に馬券
秋とはいえ、日差しはまだ強い。
ライスシャワー碑を一通り眺めてスタンドに戻った。
パドックとコース前の観覧スペースを最短距離で繋ぐ広い通路。人通りが多い。
馬券売場も隣接しているし、売店が並び、トイレもある。無料のお茶サービスもある。便利だ。
酷暑や寒風の季節以外は扉が開け放たれ、風の通り道になって気持ちがいい。
この通路が好きだ。
もう何百回も往復したことだろう。
立ち並ぶ柱の陰。
以前は、そこここに置かれたごみ箱を机代わりに、投票用紙にマーキングする人が大勢いたものだ。
今、紙の馬券を現金で買う人はほぼいなくなり、馬券売場は次々に縮小された。
代わりに、飲み物はもちろんアイスクリームやお菓子、立ち食い総菜の自動販売機が幅を利かせるようになった。
ケイキの大きなポスターが連続貼りしてあった。
ケイキちゃんこそ、独居老人のための話し相手ロボットを象徴する存在。
そのマスコット名である。
教え子であり、サークル・R&Hの元部員が、このケイキちゃんの着ぐるみの中で死んだ。
ポスターを見れば、嫌でもそのときのことを思い出す。
ここ京都競馬場で開かれたG1レース、倭の国ワールドカップの日、ちょうど今いるこの先で。
「先生」
振り向くと、三人の女の子が立っていた。




