388 けじめってものがあるから
今一度、ランが言い放つ。
「わきまえろ! 近所迷惑、そんなことさえ分からないか。大人しく、下で待ってろ」
フウカも言った。
「もう少しで打ち合わせは終わります。それまで、下で待っていてください」
ルリイアは黙っていたが、ランと男三人を見比べながら厳しい目つきを崩さなかった。
アイボリーは黙ってジンの腕を取り、後ろに下がらせようとした。
ランの小さな体は、廊下の真ん中で仁王立ち。
男三人を睨みつけている。
「ラン、けじめってものがあるから、いったん部屋に入って」
と、呼びかけるフウカ。
ランは男三人を目で制し、さっさと踵を返す。
代わって俺がこいつらの前に立ちはだかった。
見れば見るほど、妖怪。
ランのようにはうまく化けることができずにいる。カワウソと狸と何者か。
幸い、部屋に入ろうと押し進んでくることはなかった。
全員が部屋に入り、最後に俺がドアを閉めようとしたとき、
「ミリッサ殿」
と、ひょろ長が顔を寄せてきた。
獣の臭い。
「しばし」
「ん?」
「ミャー・ラン殿のこと、なにとぞ、よろしくお願い仕る」
「んん?」
ドアを閉めた。
フウカが玄関に残り、待ってくれていた。
ランVSハルニナ&メイメイ。
妖怪どもまで姿を現したのだ。
気を引き締めておかねばならんのか。
何かが起きてからでは遅いのか?
なにかしなければ……ならんのか?




