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36 まだ祠の石は回っている
疲れ果て、気がおかしくなったか。
くそ。
そんなことがあってたまるか。
空を見上げた。
細かい雨が降っている。
雲は垂れこめているが、うっすらと白んできている。
少しばかり登って左に進路を変えた。
緩やかに下り。
遠く、木々越しに祠。
いよいよ空は白み、はっきり見える。
相変わらず、屋根の石は回り続けている。
岩や窪地をかん木や草が覆い隠し、歩きにくい。
けつまづき、足を踏み外して転びそうになる。
ありとあらゆる、何かわからないものが顔に覆いかぶさる。
足首を痛めた。
構ってられるか!
巨岩を回り込む。
一軒家ほどもある岩の上には土が積もり、木まで生えている。
岩の裏側の地面は窪みになっていて、落ち葉が深く積もっていた。
その中に足を取られ、思わず手をついた。
つっ!
掌の傷が広がった。
血が噴き出す。
くそ!
まだ祠の石は回っている。
くそ!
なんだっていうんだ!
目の錯覚か?
違う。
明らかに回っている。
ちくしょう!
意味が分からん!




