表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

302/333

301 最初は何だった?

 ごちそうさまの後、まだ飲み足りなさそうなヨウドウは無視して、話を始めようとした。

 ランに目配せをする。

 どうぞ、という瞳の応酬。


 昨日、ランとハルニナ、メイメイと語り合った内容に沿って。



 では。


「俺が思ったことを話したい」


 フウカよ。俺が進行するぞ。

 今日は、できれば最後まで自分の推論として話し終える。

 その後、各自がそれをどう捉えるかは、出たとこ勝負。




「ノーウェの事件」


 はっきり言って、これが事件なのかどうか、分からないまま俺たちは調査を始めた。

 今日も、あえて、捜査という言葉は使わない。

 あくまで俺たちは民間人。

 恐れ多くも捜査とは言えないし、実際、それほどの力もない。

 もしかすると、言い方は悪いが、単にお遊びに終わる可能性も大きかった。

 言い出しっぺはフウカ。

 フウカのためにも、俺は、曲がりなりにも何らかの結論までいかなくては、とは思っていた。


「ヨウドウ、ガリさん。聞いているかどうか知らないけど。そういうことなんだ」


 二人とも知っていたのか、ふむ、と頷いただけだ。


「ことの発端とか、飛ばしてもいいか?」

「構わん」

「どうぞ。結構ですよ」

「ありがとう。では」



 斜め前に座るガリと目を合わせながら、この二か月間を回想した。

 もう何度も、繰り返し、繰り返し、記憶を穿り返している。

 様々に明らかになった事実や、その断片。

 それぞれの言動や、かすかな反応。

 そして見聞きした驚くべき事柄の数々。


 ガリの顔には、疑念も怒りも、蔑みといった感情は微塵もない。

 むしろ、なぜか、目にかすかに喜びがある。


 自信を持って話そう。



「最初は何だった? ターゲットも決めず、関係者にあたろうということになったよな」


 ノーウェの夫、その義父、その義母。


「今にして思えば、かなり無茶な考えだった。いくらノーウェが気に入られていない嫁だったとしても」


 警察が厳密かつ十分に調べた後だ。

 新たな事実が判明するはずもない。

 結局、彼らに罪があるのかどうか、それを掴むところにさえ行きつけなかった。


 中でも、夫のユーリー。

 待ち構えていたかのように再婚したことで、色めき立ちはした。

 仲間内の披露パーティに、ジーオが参加してくれた。

 行きたくもなかったろうに。情報収集のために。

 でも、収穫無し。

 この線は尻すぼみ。


 なにかこう、無理やりな、あてずっぽうというか。

 後が続かなかった。

 俺達には掘り下げていく力もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ