293 ぞろぞろと待合から
翌朝早く。
「お、ルリイア、おはよう! 具合はどう? もう、いいのか?」
「はい! 元気です。ご心配をおかけしました」
メイメイが呼んでくれていた。
「メイメイとハルニナに感謝です。私に声を掛けてくれた常連さん、ハジカミっていう人にも。とってもすっきりして、いい気分です」
「そりゃ、よかった」
「それにしても、あのパクチー汁、とんでもないお味で、おかげで何日もぶっ倒れました!」
ハルニナとメイメイ、ルリイアと共に、コアYDからお館様の屋敷に向かった。
今日のあいだみちは、ルリイアと同じように気分がいいのか、桜が満開だ。
林床にはシャガが咲き乱れている。
結界を抜け、白砂のことろまで来ると、ランが待ってくれていた。
「ほら」
ランが指さした待合。
そこに、フウカとジンとアイボリー、加えてジーオ、そしてなんと、ヨウドウとガリの姿があった。
「お館様が、ぜひそうしろって」
「よくこの時間に。まだ、七時だぞ」
「そうやね。なんだかんだ言っても、みんな仲間なんや」
急遽の誘いによく集まってくれたものだ。
「尻込みするやつ、いなかったのか?」
「ぜんぜん。さすがにヨウドウ先生はびっくりしてたけど」
ぞろぞろと待合から出てくる。
その様子がいつもと同じようなものなので、微笑ましく、そしてホッとした。
ジンは飛び跳ねるように。フウカは悠々と。
ヨウドウはきょろきょろしながら。
ガリはこちらから目をそらさず。
まだ、妖怪とは誰とも会っていないからかもしれない。
開口一番、ヨウドウが言う。
「俺はお前が誇らしいぞ。三年七組、いろいろいるが、お前だけだ。妖怪の世界に縁のあるやつは」
ランは、しばらくここで待っててと、奥に消えた。
スペーシアの様子を聞いてくるからと。
「それにしても、すごいところだな」
ランと待ち合わせ、例の茶屋町の口から入ってきたという。
「それにしても、全員、よく揃って」
「そう。それについてもお前を見直した。競馬サークルなんてチャライもんだと思ってたが、この結束はどうだ。学内最優秀サークルの誉を受けてもおかしくない」
「おお、そうか。推挙してくれるか」
「ああ、する、する。何も副賞はないがな」
「先生、これ、持ってたらいいですか?」
アイボリーがコンビニの袋を下げている。
ん?
「ああ。そうか。帰りのお礼のお菓子だな。持っててくれ」
ジンも袋を下げている。
「それもか?」
「ううん。こっちはスペーシアへのお見舞い」
「そうか。そりゃそうだ」




