288 もいっぺん
げっ。
またかよ。
ランの裸。
これで三度目。
昨夜、野球拳でランは負けに負けた。
もともと裸で生きてきたから、恥ずかしくもなんともないもんね、などと言いながら。
エッチなこと想像するミリッサが悪い、と泣き笑いしながら。
「あのなあ。なぜ、そう来るかなあ」
「だって、昨夜だって、勝手に寝てたし」
「あたりまえだ」
嘘の祝言。
ランの見せた涙。
忘れてはいない。
しかし、だ。
「学生の裸見て喜ぶ講師が世の中、どこにいる」
「そう? でももう、私、大学辞めるし」
「続ければいいじゃないか」
「ううん。いろいろ忙しい。お役目があるから。それにミリッサと一緒にいるために学校行ってたんやし、もうその必要ないし。WIN5のキャリーオーバーか大大大万馬券、当てたようなもんやし」
「でも大学は」
「いいのん、もう」
「猫は水が嫌いじゃ……、お風呂も……」
「今は人間だし」
「でも」
「だから。こうやって」
ん。
……。
……。
んん。
……。
……。
……。
キス、したし。
もいっぺん。
やめろ。
いいやんか。
……。
……。
……。
……。
……。
……。
い、いかん。
完全にのぼせた。
素っ裸でランに担ぎ出されるみっともなさよ。
猿や蛇に話をつけに行かねばならんのに。
それにしても……。




