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183 女の子同士、借りを作るのはいや

 フウカは言い淀んでいるが、それはそうだろう。

 この混沌とした状況下で、今後の活動方針は見いだしにくい。


「今後、どうするかだね」

「えっ、あ、それはそうなんですけど……」

「どうしたい?」

「はい……、元はと言えば、その……、」


 なんとなく、口の重いフウカ。


「言わなくてもいいさ。恋人に協力しようということだろ」

「……恋人」

「違うのか?」

「そう……、ま、そうなんですけど……」


 どうも様子がおかしい。

 聡明なフウカらしくない。


「体調、よくないのか?」

「あ、いえ、そんなことはないんですけど……。皆にこれ以上の負担をかけるのもどうかなって」

「まあね。わかるよ」



 でも、ここで止めて何になる。

 フウカ自身、そう言ったではないか。

 これでは刑事に手土産どころか、ノーウェの悪業を穿り出しただけに終わる。


 加えて、関係するかどうかわからないが、自分に襲い掛かる訳のわからない出来事の連続。

 これはどうなるのか。

 行き着くところまで、何かが見えてくるところまで、行かなければ。



 だが、続けろとは言わなかった。

 それはリーダーであるフウカが決めること。


 こう言った。

「そんなに負担かな」

 実際、強制はしていない。

 調べられていませんー。すみませーん。でもいいわけだ。

 その理由も、授業の課題が、バイトが、デートが、家の用事で、でもいいわけだ。


 フウカは少し言葉を選んでいる。

「荷が重いって思ってるような人がいて」

「いいじゃないか。肩代わりを誰かがすれば」

「そういうわけにもいかないんです。その人は、それを良しとはしないでしょうから」


 そんなものかもしれない。

 女の子同士、借りを作るのはいやだろう。



 フウカは、誰が、とは言わない。

 リーダーとしての配慮。

 が、顧問として知っておきたい。


「誰が?」

「それが……」

「ん?」

「ほとんどみんなが。ハルニナもメイメイも。ランもなんとなく。アイボリーはもちろん」

「なるほど。残るはジンだけか。ルリイアとジーオは?」

「先輩たちは元々、協力隊ということですし」



 言われなくとも予想できたこと。

 ハルニナとメイメイは、いわばPH内の抗争中。

 ハルニナは総帥を辞めたいとまで言って、泣いたりしている。

 そしてメイメイはハルニナの親衛隊長。

 そんな状況で、こんな調査など。


 アイボリーにいたっては、もっと深刻だ。

 自分の遅刻のせいでノーウェは死んだことになっている。

 誰からも責められたりはしていないが、本人は辛いはずだ。


 ランは。

 本音は、興味ないねんなあ、だろう。

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