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八の世界 一の世界と二の世界

 宰相の事を調べる。シェフィにそう言われたが、会う機会などないのだが。


「どうしたんだ?」


 そうか。ジシェンに頼めば良いのか。会う事ができなくとも何か知っているはずだ。


「殿下にお聞きしたいのですが」

「なんだ?」


 いざ聞こうとすと別の事が気になって聞きたくなる。


 だが、まずは聞くべき事を聞かなくてはな。


「殿下は宰相に会う予定はありますか?」

「ないな。知りたい事があるなら教えるが」

「では、宰相の事を教えてください」

「……本人から口止めされているからできない」


 予想外の返答だな。宰相の事を調べるのが一番良いと思うがこれでは調べられそうにないな。


「では、シェフィルという方を存じておりますか?」

「……知ってると言えばどうするんだ?」

「教えて欲しいです。どのようなご関係か」


 世界の事はまだ言うべきか迷っている。シェフィは大丈夫だったからといって大丈夫だとは限らないからな。


「……」


 ジシェンの方が慎重だな。いや、シェフィも自分から言ってはいなかったか。


「どんな関係と言われてもな。普通の関係としか言いようがないのだが」


 そっちか。


「そうなのですか」

「なんでそんな事が知りたいんだ?」

「シェフィから交流があるとお聞きしたので」

「宰相の事もシェフィルから聞いたのか?」

「はい」


 シェフィの事を言うとジシェンは手に顎を乗せて何かを考えていた。


「宰相はシェフィルの父だ。俺の口からはそれ以外言えない」

「ありがとうございます。それだけでも十分です」

「一応頼みはしてみるが会えるかどうかは分からない」

「ありがとうございます」


 これで会う事ができれば良いのだが。


 できなかった時はどうするか。


「少し待ってくれ」


 聞くのは直接会うわけではないのか。


「無理って返ってきた」


 連絡ツールでメッセージのやり取りをしてダメだったようだ。


「力になれなくて済まない」

「そんな事ありません」

「代わりといってはあれだが、もう少しシェフィルの話でもしよう」


 それは助かる。


「シェフィルとは幼馴染なんだ。だから良く遊んでいた。学園に入る前には騎士になりたいけど推薦取れるだろうかとか相談されたな」


 あの実力で取れない方がおかしいと思う事がしばしばあったのだが、そこは置いておこう。シェフィにもそんな悩みがあったんだな。


「それとか、オプシェから男として見られない。どうすれば見られるのとか」

「なんて答えたんですか?」

「見た目と声でどう足掻こうと無理」


 その通りなのだが、それを言うか?


 シェフィは男にしては声が高いんだ。それに華奢で、騎士になりたいなんて言った時は思わずやめた方が良いと言ってしまいそうになるくらい非力そうな見た目なんだ。


「仲が良いのですね」

「そうだな。ここにいる人たちよりも気が合う」

「だったらなぜ、結婚なんて言い出したのですか?」


 ジシェンはシェフィルとの婚約を知っているはずだ。仲が良いのに抜け駆けするような真似をするだろうか。


「あれはシェフィルに頼まれたんだ。結婚でもすれば無理なんてしようと思わないだろうって。倒れたの、相当心配してたし怒っていた」

「……そうだったんですか」


 これは次はないな。二人が知っているなら、休んでも大丈夫だろう。


 また同じ事にならないように適度に休めるようにしなければな。

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