表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/442

剣聖は変人でした

 俺が現場まで行くと、激戦を繰り広げていた二人は既に戦いをやめていた。


「おぉユースケ様。どうなされましたかの?」


「どうもこうも、聞きたいのはこっちの方だよ」


「なんだ?こいつが爺の主か?ヒョロくて弱そうな坊主だな」


 このジジイ、言いたい放題言いやがるな。


「すいませんの。コヤツはちと頭があれでして。礼儀がなっとらんのです」


「あ?」


「へえ、それで老師、彼の目的は分かったのか?」


「そいつは俺様から言わせてもらうぜ。この足を見てくれ」  


 ジジイが足を出すと、そこは木の棒が付いてるだけだった。

 義足ってことか?てか両足義足であの動きかよ。全盛期はどれほど強かったんだ?恐ろしい。

 何よりも恐ろしいのはジェノルムと義足キャラが被ることだな。


「治療か」


「話が早いぜ。ドクタースライムってので治せねえか?」


「ドクタースライムは再生まではできないんだよなぁ。回復魔法も治ってからここまで時間が掛かってしまうと……あっ…………ああでもなぁ……」


「なんだ?はっきり言えよ」


「俺のスライムに望んで捕食されれば、自分の意識と自我を保ったままヒューマンスライムになれる。スライムだから欠損部位は簡単に修復できるんだが、存在自体は俺のスライムだから強制的に俺の配下になってしまうんだ」


「なんだ、治るんじゃねえか。それで頼むぜ」


 即決かよ。もうちょっと逡巡というものをしてほしいな。

 聖女といい、この剣聖といい、この調子だと勇者もろくなやつじゃない気がする。


「俺様は強いやつと戦えればそれで良い。お前の下に付いてたらいつでもこの爺や他のダンジョンマスターと戦えるんだろ?望むところじゃねえか」


 あー、こういうやつね。戦闘狂と。

 まあ自分の欲望以外だと常識はあるらしいし、戦力向上の面でも仲間に加えることに文句はない。


「それじゃあよろしく。えーっと」


「マスターソードだ。よろしくな坊主」


 まだ坊主呼びかよ。一応ヒューマンスライムになるなら俺が主になるんだけどな……何はともあれ強い仲間が手に入ってよかった。

 俺とマスターソードはガシッと強い握手をした。


 マスターソードの握力が強すぎて指が折れたが、ここで痛がるとかっこがつかないので、素知らぬ顔でこっそりポーションを飲んでおいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ