剣聖が来た!
「てゆう事がありまして」
「なぜ敬語なんだ?」
「いやあ、また仕事増えたかなーって。申し訳ないなーって思って」
「まあ増えたがな!」
今回のバトルと同盟についてジェノルムに報告に行くと、もうどうにでもなれとやけを起こされてしまった。
良いトコのケーキで機嫌を取ってるのが今の状況だ。
「で?どこのダンジョンがお前と同盟になったんだ?」
「えーっと、こことこことここと……」
「おいおい、オネストダンジョンやクラウンダンジョンかよ。ヴァイオレットさんに続いて大物を仲間にしたな」
オネストダンジョンはソランのダンジョンだ。
精神操作系のモンスターが多くてダンジョン内では本音でしか話せなくなるのだ。
新しい絆ができることがあるが、逆に壊れる時もあるとかないとか。
「スライムダンジョンが本部のグランドマスターに目をつけられるようになった。もうお前のこと隠せねえぞ」
「…………スライムダンジョンのマスターは友好的だって言えば良いんじゃないか?」
「そうかなあ?まあ、俺が悩むことじゃないか。とりあえずこの案件はグランドマスター行きだな」
それからは暫く世間話をする。
頭のおかしい聖女様が脱走してうちに来たが、ちょうどダンジョンバトル中で中に入れなくて立ち往生してる間に兵士に連行されていったらしい。
ジョーカー、グッジョブ!
各国がそこそこの人数の斥候兵を神聖国に送り込んでるらしい。
何故か移動するだけの武装集団が多かったのはそれでか。勇者に目をつけられる前に何とかしないとなぁ。
「そうだ!剣聖がお前のダンジョンに向かったらしいぞ」
「物騒な名前の人が来るなあ!誰?」
「簡単に言うと、この世界で最強の剣士だ。リシーア王女と違って人の話を聞くくらいの常識はあるから話せば分かる人だが、注意はしといた方がいい」
「忠告どうも。それじゃあ気をつけてその剣聖さんを見に行ってみるよ」