うちのショップは品揃えが良い
「はい。できたわよ青い点が友好的なダンジョン、赤が魔王の配下のダンジョンよ。魔王は魔界にいるから安心ね」
「そうか。ん?青が多くないか?」
以前パーティーの際に同盟を申し込んできたマスターは十人ちょっと。だが、地図にある点はその倍近くある。
「あの後モンスターを私のダンジョンに使いに回してきて同盟を申し込んできたマスターが何人もいたの。最初はバトルの申請かと思って肝を冷やしたわ」
バトルや同盟の申込みってモンスターを仲介してもいけるのか。
よく考えてみればそうだよな。引きこもりのダンジョンマスターが直接会うなんてパーティーの時くらいだろ。
俺とヴァイオレットの出会い方が異常だったんだ。
それもヴァイオレットの方はドッペルゲンガーだったしな。
まだまだ知らないことは多い。
「なあ、少しショップの画面を見せてくれないか?」
ヴァイオレットのショップの商品一覧にはもちろん日本製の食品、電化製品、漫画等は無く、魔道具も俺より少なかった。
「やっぱり俺のショップのほうが品揃えがいいな。ひょっとして縁先輩が作ったからか?」
「誰?」
「俺の先輩。今度紹介するよ」
ヴァイオレットと違う魔道具系の商品は性能が高い。ゴーレムメイカーもだ。
俺の頭の中でチートアイテムをせっせを作る先輩を幻視した。
「ヴァイオレット、これプレゼントするよ」
俺はポケットに入れてたネックレスをヴァイオレットに渡した。
「えっ⁉プレゼント?ありがとう。大切にするわ!」
「そのネックレスを付けておけば死んでも一度だけ設定しておいた場所で生き返ることができるから常に付けておいてくれ」
「ユースケ……私のことを心配してくれるの?」
俺は頷く。当然だ。ダンジョンマスターの初めての友達なんだからな。
「明日からダンジョンに冒険に行くから今日はもう帰る。また今度な」
「うん、ばいばい」
なんか心ここにあらずって感じだな。
何かいいことでもあったのだろうか?ともかく帰ったら名付けだ。
帰った俺はダンジョンのモンスターたちに名付けをするのに徹夜した。疲れた。