表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/442

本領発揮

「やめてくれ!このダイアモンドスライムを連れて行かないと俺の借金が!」


「かわいそうに、そのモンスターに心を奪われたのですね。すぐに解放してあげます」 


「なんで人の話聞かないんだよー!」


 リシーアの掌から放たれたの聖なる波動が憐れな冒険者に降りかかり、彼が守るように抱え込んでいたダイアモンドスライムを包み込み光の粒子に還した。


「あ、あぁぁーーー!」


「礼には及びません。私は世界中の人々に救いの手を差し伸べる者ですから」


 恐らく借金返済の最後の希望を失った男の慟哭を、なぜか救われたことに感謝して泣いて喜んでいると勘違いしているリシーア。

 彼女の目は飾りなのだろうか?


 あの男の借金の原因は、治療薬がバカ高い病にかかった妹の治療費のためだと鑑定に出てたからプレゼントしたダイアモンドスライムだったのに……何人目だ?ここまでが来る間に何人のクレイジー聖女被害者を見てきたか分からない。


 被害者にそれぞれ補填のスライムを差し上げてたら対応が後手後手になっちまった。

 ここまで被害者が出てしまうと、流石に見てるだけってわけにはいかないな。


「そこまでだ!」


「あなたは……店主?」


 この女……名前忘れやがったな。会ったのニ、三時間前だぞ。

 取り敢えず泣き崩れている冒険者にダイアモンドスライムをあげた。


「俺はもう一匹持ってるからあげますよ。妹さんを幸せにしてあげてください」


「あ、ありがとうございます!この御恩は一生忘れません!」


「浄化の光よ」


「やめろつってんだろが!」


 空気を読まずにまたスライムを殺そうと聖女の放った光の波動を、間一髪アダマンタイトソードで切り裂いた。


 この光はモンスターが触れたら死んでしまうようで、装備にスライムは使えない。

 俺は普通のアダマンタイトアーマーに、下の服をスライムウェアにして波動があたっても大丈夫な状態かつ、アダマンタイトスライムアーマー装備時と同じ様に動けるようにした。


「なぜ邪魔をするのですか?」


「商人として自分の客に迷惑をかける犯罪者を野放しにできないだけだ!」


 俺が言い終わると同時に、彼女は無言で熱光線を放ってきた。

 危な!光の波動だけじゃないのかよ。敵認定した瞬間容赦がないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ