表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/439

潜入

「くっ、何なのだこの黒騎士たちは」


 ヴァイオレットの側近モンスターであり、スライムダンジョンの侵攻現場指揮官を任されているデスナイトは突然現れた強敵に困惑していた。


 このダンジョンは入り口が多く戦力が分散され、当初はヴァイオレットのモンスター軍団の指揮系統が混乱する等のトラブルがあったが、敵は今のところスライムしか出ていなくて、他のモンスターならともかくデスナイトならば一人でうろついてもやられる心配は全く無いくらいの難易度だった


 しかし、ダンジョンバトル開始5日目にして異常な強さを持つ黒騎士が三人現れ自分たちを襲い始めたのだ。


 反撃しても、鎧に木端が当たったかのようにすべての攻撃がことごとく防がれ、逆に黒騎士の剣が当たるとどのような分厚い毛皮も鎧もなんの抵抗も見せずにバターのように切り捨てられていく。


 既にデスナイトの従えていたモンスターは半数を切っていて、その頃にはデスナイトの頭に撤退の二文字がはっきりと浮かんでいた。


(これ程の強さならば一体でも我々を圧倒することも可能だ。私ならば他の二体は別の入り口にいる部隊に向ける。だが、現実は同じ場所に三体投入されている………まさかっ!)


 デスナイトの予測は当たっていて、現在雄亮のダンジョンの中にいるヴァイオレットの配下のモンスターの集団一つ一つに、二〜三体のアダマンタイトフル装備のヒューマンスライムが襲撃していた。


「くっ、撤退だ!一度ダンジョンに戻るぞ!」


 指揮官が撤退命令を出したことによって、既に戦うことに消極的になっていたモンスターたちは我先にと逃げ出した。


 しかし、逃走する無防備な敵を倒す絶好の機会なのに追うことすらしない黒騎士たちに、デスナイトは嫌な予感がしたが、彼にできることは、後ろから迫ってくる味方のモンスターたちに踏み潰されないように全力でカースダンジョンまで走ることだけだ。すぐにその予感は頭の隅に避けてしまった。


 従って、彼らの最後尾に増えた死んだはずの仲間の姿をしたモンスターたちに気づいたものは誰も居なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ