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カチコミじゃー!

 翌日、ドームへ向かおうとする俺たちをタラッパが呼び止めてきた。


「待ちな!コイツラを連れて行け!」


 そう言って船の護衛役のイーナとアキトをぐいっと突き出す。


「いいんですか?これだと船の守りが……」


「てめぇの身くらいてめえで守る!それにこれまでも攻められなかったんだ!その上お前たちが邪神の本拠地を襲うんだろ?なおさらこっちが襲われる心配は少ない!この2人も相当強いだろ!遊ばせておく手は無ぇわなぁ!」


 大きな声で正論を言うタラッパ。彼の前でイーナとアキトは肩をすくめた。確かに2人がいれば数多くいる雑魚邪神の眷属の処理が楽になる。


「雄亮君、タラッパ船長の厚意に甘えよう。人数が多ければ味方のフォローもしやすいからね」


 先輩の賛成もあって、イーナとアキトを連れて行くことになった。

 2人が加わったとしても作戦の大筋は変わらない。2人とも昨日の作戦会議は聞いていたので、自分たちの役割は心得ている。


「人数も増えたし、あんたが来る必要ある?」


 ヴァイオレットが俺に意地悪そうに言うが、先輩がたしなめる。


「ヴァイオレット、戦士は一人でも多いほうがいいよ。それと、雄亮君をあまりいじめないことをオススメする。記憶が戻った後の君を思って忠告しておくよ」


「……ふん」


 ヴァイオレットは少し不満げながらも、先輩の忠告に一理あると感じたのか口を閉ざした。

 彼女の中でまだ俺と仲間だったとは納得しきれてないからだろう。


 そのまま無言の時間が続き、ドームの前までたどり着いた。


「近くで見るとでかいですねー。先輩」


 俺は、地球ではドームなどという施設とは無縁だったが、教科書の写真では見たことがある。そしてこのドームはそのどれとも比べられないくらい巨大だった。


 直径もだが、高さが数段違う。数百メートルはありそうだ。

 あのタコ足を見ていたから薄々感じてはいたが、邪神は相当な大きさなんだろう。

 そんな高さのドームの天井をぶち破る攻撃をした先輩……恐ろしい。


「ところで、入り口はどこにあるんですか?」


「そんなもん無いよ。見た目はドームだけどこれ封印だからね?」


「じゃあどうやって入るんですか?」


「そりゃ無理矢理ぶち破って。すぐ修復しちゃうから早く入ってね」


 何と言う蛮族ムーブだ。まさか邪神も自分が封印されている中に入って攻撃されるとは思わなかっただろう。


「あれ?すぐ修復されるならタコ足はどうやって出てきたんですか?」


「常に壁を壊してるんじゃないかな?あ、何で本体は出てこないのかって聞きたいのね。封印の効果で邪神の身体はドームの真ん中から移動できないようになってるんだ」


 それじゃあ、と先輩は呟き。


「おりゃぁ!カチコミじゃー!」


 ドームの壁を文字通り蹴破った。

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