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普段の行動のせい

 いかん、話が脱線する。獣人のシースナは嗅覚が鋭いため、目を閉じてても戦闘することができる。

 この二人が幻影の眷属を倒すまでは同士討ちをしないように積極的な攻撃は避ける。


 倒し終わったら二人とヴァイオレット、ジョーカーの四人で転移の眷属を倒す。

 三人が遠くに入れ替えられても、残り一人が攻撃できるからだ。


 痴漢の眷属は連携の上手いエターナルブレイブパイセンに任せる。まあ、あの三人ならどうとでもなるだろ。


 この三体を倒す間、先輩が邪神を抑え、雑魚眷属は俺、光、ジェイ、聖女が相手をする。

 ここまでで光が勇者覚醒を使えなかったら、先輩の奥の手が発動するだろう。


「光は雑魚眷属にやられないように気をつけないとな」


「あまり舐めないでください…………とは、今までの戦いを見せた手前言えませんね」


「大丈夫ですよヒカルさん。私も一緒に戦いますから頑張りましょう!」


 輝かしい笑顔で拳をぎゅっと握って光を励ます聖女に、光は困惑しながらも応える。


「え、ええ。ありがとうございます。頑張りましょう」


「ヒカル様、頑張って」


「セラさん。ありがとう!」


 聖女からの応援は引いていたが、セラからの応援ははにかみながら応じた。

 おっかしいなー。少女からの応援という文字上は同じ現象なのに…………普段の言動って大事なんだな。


「茶化したが、ダンジョンマスターの中で一番弱い俺が言えたことではないな。それでも俺の剣は聖属性を持ってるから邪神戦になったら援護位はできるだろう」


 本当は妖精の剣を光に渡せば一番いいんだろうが、(こいつ)は以前ジェイの弟弟子のシゼールに渡した際、俺を殺させようと唆した前科がある。


 あの後一緒に旅をして気心知れた仲になってはいると思うが、どうも不安が残る。

 光も何か唆されたらころっと敵対しそうな性格だからこの一振りと一人を出会わせたくない。


『主殿、吾輩をこの勇者に渡せば大幅な戦力アップができるのでは?』


 うわ、こいつこんな時に限ってなんでこんなに勘がいいんだ?どうにか誤魔化さないと。


『それはあれだよ。馴染んだ装備は手放しづらいって話』


『ほう』


『それにお前がいなかったら俺の戦力がガタ落ちだしな』


『ふむ。それもそうですな。吾輩が欠ければ鎧と盾だけになり攻撃ができませんしな』


 声色が得意気になる妖精の剣。フフフ、少しおだてただけで……チョロいな。


「ありがとうございます。少し緊張もほぐれてきたので寝ることにします。寝不足で戦えなかったら申し訳ないですから」


 苦笑しつつも冗談が言えるくらい光に余裕ができたみたいだ。

 俺もそんな彼に倣うとしよう。

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