勇者覚醒を使うためには
実験でタイトルをちょっといじりました
邪神戦の注意事項と作戦会議が終わって解散した後、俺は光を頼みの綱にした真意を問いに先輩に会いに行った。
「来ると思ってたよ」
「そりゃ、あんな光頼りの作戦にされたら不満もありますよ」
「だよねぇ」
先輩は俺の言う事一言一句分かるよという態度で苦笑し、明日使う装備の点検をする。
「でも全くの運任せなわけじゃないんだよ?勇者覚醒は強敵との戦いがきっかけで使えるようになる場合が多いんだ。なんと過去統計90%」
「なんすかその主人公の勝利演出みたいな統計」
「実際この世界の主人公みたいなもんでしょ。この世界の勇者担当の神がそういうせっけいにしてるんだよ。しかも今回の相手は聖の真逆に位置する邪神だ。光君が勇者覚醒を使える可能性は高いと思ってるよ。ああ、本人にはこの話言わないでね。緊張感が無いと覚醒できなくなるから」
「どうも根拠が少ない気が……」
「なら追加してあげよう!僕の勘!」
自信満々にそう答える先輩に呆れて俺はため息をついた。
「おいおい、そんなにがっかりすることないだろう。ちなみに僕の勘の的中率は95%」
「わあ高くなった。じゃあ安心か……とはなりませんよ」
「ははは。あの場で言ったら光君にプレッシャーが無くなるから言わなかったけど、奥の手も用意してるから大丈夫だよ」
「そうですか…………ちなみに奥の手とは?」
「ひみつ。言ったら絶対反対するから」
「そこ言っちゃったら今から反対しますよ!?」
もはやこのツッコミを言わせるためにやってるだろこの人。
「命の危険はないから安心してよ」
「……信じますからね」
これ以上ごねても言い出しそうにないので俺は甲板に戻った。
そこには光とセラ、聖女が残っていた。
「雄亮さん、縁さんは何といってましたか?」
「頑張れ。だってさ」
「それだけですか?何か勇者覚醒するためのコツのようなものは」
「無い。ただ、強敵との戦いの中で成長しろって」
「そんなぁ……」
希望が無くなったように膝をついて愕然とする光。
すまんな。言ってやりたいが、先輩から口止めされてるから全ては言えないんだ。
これでは俺も先輩のことを責められないな。
「そんなに緊張するなら明日の作戦の確認をするか?気晴らしにもなるし、段取りを頭に叩き込んだほうが明日も動きやすいだろ」
「…………はい」
俺の助言を聞いた光は、明日の作戦を俺に伝えるように言い始めた。




