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邪神と戦う3人

「あんた…………弱いわね!」


「だから言っただろうが!てかお前、味方相手なのに容赦ねえな」


「だってあたし、あんたのことこれっぽっちも知らないもの」


 いま気づいたが、同盟の盟主に危害を加えられないって制約の効果が機能していないな。

 邪神の力がダンジョンコアの父の力を上回っているということか?


 こういう場出ない限りいきなり切りかかってこないとは思うが念の為、今のヴァイオレットの前では身代わり人形を多めに持っておこう。


「はぁ……で?俺のことは測れたのか?」


「ぜーんぜん。何であんたのことが好きになるのかさっぱり」


 拍子抜けする答えに俺はがっくりと項垂れる。

 3回殺されて成果なしとは……ひどい。


「でも、記憶を失う前のあたしがあんたを好きになった理由が逆に気になったわ。きっと、あなたにはあたしが気に入る何かがあるのでしょうね」


「さいですか」


 ヴァイオレットはニヤリと笑って、鎧を脱いだばかりの俺の背中をバチンと叩いた。


 今の斬り合いで、少なくとも敵対心のようなものは取り除かれたと思いたい。


 ヒリヒリと痛む背中を擦りながら船に戻ると、暇を持て余した民間人が俺の蹂躙される様を見学していたようで、甲板の人口密度は少し高かった。


「よし、ヴァイオレットとユースケ君のわだかまりも解消されたことだし、邪神をボコす算段を立てようか」


「そうですね。俺たちの目標は2つ。ヴァイオレットと聖女の記憶を取り戻す」


「私たちの記憶……」


 とは言ったものの、ヴァイオレットの記憶は絶対に取り戻すが、聖女はどうしようか。


 今のまま大人しい冒険者でいてもらった方が、俺的にもエスリメ的にもセラン王国的にも世界的にも幸せな気がするんだが。


 やっぱり気乗りしないなぁ。

 ヴァイオレットの記憶を取り戻す為には聖女の記憶も取り戻さないといけないっていう状況にならない限り、放っとこうかな。


「そして邪神を弱らせてこの海底都市から脱出する」


「うん、どっちの目標も邪神を叩かないと達成できないね」


 それが一番大変なんだけど、と先輩は続ける。


「ぶっちゃけ今の邪神は僕一人では、足止めはできても弱らせることはできないと思う。あと2人、強力な聖属性使いが欲しい」


 聖属性使いが2人か。

 1人は記憶が無いせいでお淑やかで扱いやすい聖女。

 もう1人は…………妖精の剣を持っている俺か?


「邪神と戦うのは僕、聖女ちゃん、そして…………光君だ」


「え?」


「えぇーーー!?」

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