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スライムダンジョンのダンジョンマスター 〜俺だけが召喚できるスライムを使って一大国家を作ります〜  作者: 白街
11章 

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ヴァイオレットに忘れられた

「え?」


 怪訝な顔で俺をジロジロと見てくるヴァイオレット。

 その表情から冗談などではなく、本当に俺が誰だか分かっていないように見える。


「ソラン、こいつは?」


「ヴァイオレット殿?この方は我らの同盟の盟主であるユースケ様ではありませんか」


「はあ?何言ってんのよ。同盟の盟主はあたしでしょ!」


 ソランだけではなく、ヴァイオレットが起きたので様子を見に来たダンジョンマスターたちも彼女の言葉に唖然とする。


 さっきから言ってるが、冗談を言っているトーンではない。

 本気でヴァイオレットは自分が同盟の盟主だと思っているんだ。


「そ、それでは、ジョーカーとのダンジョンバトルのときはどうやって勝ちましたか?」


「ソランが天使の時の権能でソフィア達が裏切り者だと見抜いて、ジョーカーを偽の情報で欺いて罠にはめて勝ったでしょ。一人で戦うと言っておいて皆の手を借りてしまったのは癪だったけど」


 どうやら俺に関することはすっぱりと抜け落ちて、上手い具合に補完されているようだ。


「ヴァイオレット、僕のことは分かる?」


「縁でしょ。異世界の人間で時々あたしを助けてくれる。ああ、そうそう。ニアラとの戦いであなたからもらった赤兎馬が役に立ったわ。あの時言えなかったから改めて礼を言うわ」


 俺を忘れているのに、先輩のことは忘れていないのか?

 俺が先輩に視線を向けると、彼は処置なしと肩を竦める。


「何で先輩がわざわざ異世界を渡って、全く関わりのないヴァイオレットを助けるんだ?」


「先輩って縁のこと?…………さあ、この人って秘密主義だから行動原理はさっぱり分からないわ」


 やはり記憶を補完しようとして、無理が出てるな。

 本来のヴァイオレットならば、何の理由もなく助けてくれる先輩(異世界人)のことを信用するはずがない。礼を言うなんて以ての外だ。


「で、本当はあんた誰よ?」


 俺と先輩に繋がりがあると気づいたヴァイオレットが、苦笑いしながらダンジョンマスター達に尋ねる。

 いつも突拍子もない先輩がドッキリでも仕掛けていると思っているのだろうか?


「…………俺から言っても信じられないと思うからソランから説明してもらってくれ」


 俺の言い方が気に入らなかったのか、ヴァイオレットはムッとした表情をして睨みつけてきた。


 普段の彼女なら絶対に向けてこないような視線。

 大した事のないようだが、何だか足元がガラガラと崩れていくような虚しさを感じだ。

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