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2人の救出成功

「ブベッ!」


「よーし、もう安全だな!それじゃあ行くか」


「普通にじゃんけんとかで決めればよかったじゃないですか…………せめて押し付けないでくださいよ。痛いじゃないですか!」


 不満気に口を尖らせながらも、光はトボトボと最後尾を付いてきた。

 塔の中もこれといって特筆すべき物はなく、上に続く螺旋階段があるのみだ。


 ソランを先頭に、罠を警戒しながら上を目指す。

 進んでいる間も邪神の眷属の気配は無い。本当に本当に先輩の方へ行ってるのか?


「これは……」


「ヴァイオレット殿!」


 塔の最上階には紫色の光に手足を拘束され、宙に浮いているヴァイオレットと聖女がいた。


 名前を呼んでもこちらに気づいた様子はない。

 どうやら気を失っているみたいだ。顔色は血色が良く、健康そう。ひとまず無事ということか?


「どうだ?」


「罠は無いようです。あの光を出す装置の機能を停止させれば拘束は解けると思います」


 ソフィアが二人を拘束する光を出している装置を調べて、そう結論付けた。


 だったら話が早いと、皆でそれぞれ装置を調べて、ソランが見つけたスイッチを押して装置を停止させた。


 すると、フッと光が消えて浮いていた2人が床に落ちる。


「お、おい。大丈夫なのかこれ?」


「息はあります。どうやら魔力が無くなって気を失っているようですね。この装置に利用されていたんでしょう。しばらく安静にしておけば目を覚ましますよ」


 拘束が解けても起きる気配の無いヴァイオレットを抱えてソフィアに聞くと、彼女は慌てることなく落ち着いて診断してくれた。


 その言葉に少し安心する。

 人間の生命力チューチュー吸ってたヴァイオレットが、魔力を吸われるなんて皮肉な話だ。


 気絶している二人を連れて、船に帰る間も警戒していたが、とうとう襲撃は無かった。


 帰っている間もドームが破壊されては修復を繰り返していたので、やはり大暴れしている先輩の方へ全ての邪神の眷属が言っているらしい。


 いくら修復されているとは言へ、封印を兼ねているドームを壊すのはいかがなものかと思ったが、逆に封印を破壊するくらいの力を邪神にぶつけて消耗させていると考えて納得した。


 しかしあんな戦闘をして、先輩の体力と魔力は尽きないのだろうか?

 魔力の無くなった先輩はお世辞にも強いとは言えない。


 魔力が無くなれば、俺でも倒せる自信があるんだが、まあ、それでもなんとかしそうなのが先輩か。

 怒りに我を忘れて自滅するなんてことはしないだろう。

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