塔
その後は数に押されかけたが、何とか俺の担当分の邪神の眷属を倒した。
完全に妖精装備頼りの戦いだったな。
邪神の眷属だけあって攻撃に生命力を奪う効果が掛かっていたから、生物のアダマンタイトスライムアーマーだと相性が悪い。
妖精装備を常につけているわけじゃないし、機会があれは剣術くらいは習ってみたほうが良いかもな。
十字路に戻ると、丁度皆も戻ってきた。
ジョーカーは俺と同じタイミングで倒し終わり、ソランは光るを手伝っていたようだ。
「ソラン君、俺が主君だけど?普通主君を助けるのが先じゃないかなぁ」
「申し訳ありません。私が見た時は残り数匹でしたので、ユースケ様ならば問題ないと考えました。次からは助太刀させていただきます」
こ、ここで次から助けてなんて言うのはカッコ悪いな。
「ククッ、ボスも偶には歯ごたえのある敵と戦って体を慣らしておいた方が良いですよ」
ジョーカーから正論を言われたのでもう何も言い返せない。
俺は喉元まで上がってきた言葉を留めて渋い顔をして、他の邪神の眷属が居ないか3人と警戒しながら歩く。
「雄亮さん、今更聞くのも何ですが、あてがあって探してるんですか?」
「船を降りる前にでかい塔があった。今は建物のせいで見えないが、そろそろ……見えてきた」
30メートルほどある塔は、近づくとあからさまに何かあるだろうという存在感があった。
「な?絶対何かあるだろ?」
「確かに。それじゃあ膳は急げです。行きますガガガガッ!」
光が塔の扉を開こうとドアノブを掴むと、とたんに彼にドアノブから電撃が流れた。
痺れて自分では離すことができないらしい。
ジョーカーが風魔法で無理やり扉から吹き飛ばす。
「痛っ!もっと優しい方法は無いんですか……」
「な?何かあっただろ?」
「ハァハァ……先に言ってくださいよ!」
「ああなるとは思わなかった」




