邪神の眷属の襲撃
俺たちはドームを迂回するように探索を続けた。
暫く進むと、ソランが手を上げてみんなを静止する。
「どうした?」
「見られています。恐らく邪神の眷属かと」
奇襲を受けないよう、お互いの死角を失くすように背中合わせに周囲の警戒をする。
いる場所が十字路だからどこから現れても不思議では無いが、奴らは十字路の全てに現れた。
「魚人?」
「魚犬……キモっ」
現れたのは頭部が魚の、槍を持った人型のモンスターや頭部が魚の狼、逆に頭部が狼の魚。どれも2メートルくらいのサイズで、生気のない死んだような目が不気味だ。
そんなチグハグ魚軍団が十字路にそれぞれ十数体ずつ現れ…………うわ、建物の上からも覗いてきてる。
「それぞれの道を一人ずつ対応。全滅させたら他を援護で良いか?」
「分かりました。うわー、夢に出てきそう」
「ククク、暫く魚は食べられませんね」
軽口を叩き合って向かってくる邪神の眷属たちを迎撃する。
魚頭人は槍、狼頭は噛みつきで襲ってくるが、遠巻きで見てきて何をするのか分からない魚頭が鬱陶しい。
「うわっ、危ねえ」
と思っていたが、水刃の魔法を撃ってきやがった。
鎧と盾がオレへの直撃をマジックシールドで防いでくれたおかげで無傷だ。
「ナイス」
『が、がんばります!』
『できるだけ当たんないでくださいよー』
妖精の剣で魚頭人を切り捨てると、その体が淡く光り、剣に吸収された。
「ギギみたいにこいつらも吸えるのか?」
『いや、これは封印ではない……ギギの恐れを吸う力が変質して吾輩に邪神系統の力を吸収する力になったようだ』
「吸ってることには変わらないんだな……こんなにポンポン吸って大丈夫か?いつか『邪神剣!』とか名乗らないだろうな?」
『力は吾輩の聖なる力に変換されるからその心配はない』
「なら良いけど」




