地下には牢屋
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
……すみません。ポケカと配信が楽しくてかなり期間が空いちゃいました。
俺の言葉にげんなりした表情のヴァイオレットが、男たちを殺さないように手加減しながら無力化させていく。手間かけさせてすまんな。
「ははっ、いやはや強いとは聞いてましたがここまでとは。あなた以外はSランクではないでしょう?」
「ええ。まともに依頼を受けてないからランクが上がらないだけで、本当は俺が手も足も出ない強者ですよ」
これ以上誰も出てこないことを確認して奥へ突入する。奥は帳簿等がある資料室だった。
資料室には治安維持隊の人間を3人残して証拠を回収させる。
「ここで行き止まり?」
「んな馬鹿な。あの人数がここにすし詰めになってたってか?」
「きっと隠し扉があるはずだ」
俺がどうしたもんかと顎に手を当てると、ジョーカーが部屋の中心へスススと行き鎌の柄で床をついて耳を澄ます。
「そこ、空間があります」
ジョーカーが指した壁を探ると、一体化したスイッチがあった。
押すと重い音を立てながら壁が開いた。
「小悪党のくせに随分手の込んだからくりを用意してるわね」
「急ごう。ここまで時間をかけすぎてる。逃げ切られるかもしれない」
扉の中は地下へ続く階段だった。店のくせにダンジョンみたいだな。店みたいなダンジョンだった初期のスライムダンジョンとは真逆だ。
一応警戒しつつ急ぎ足で階段を降りる。転けそうになってヴァイオレットに支えられた。手すりつけろよな。
地下は奴隷を入れておく牢屋のようで、中には女子供、弱そうな男たちだけが入れられてる。
戦える奴隷はさっき出てきたので全部らしいな。
さて、彼らを開放するのが先か追うのが先かと逡巡しているとピクリとジョーカーがなにかに反応した。
「どうした?」
「外で笛の音が」
「ッ!?隠し通路か。表から行ってきてくれ」
「うす」
「ボスもお気をつけて」
打ち合わせ通りにジョーカーとアキトが外の応援へ向かった。
全員行かない理由は、まだ残党が残ってるかもしれないし、居なくても上手く行けば挟み撃ちができるかもしれないからだ。




