訴えない
色々忙しいくていつの間にか一ヶ月以上放置してました。
年内には400話超えることを目標に更新したいですね。
「……まあ、もう首突っ込んでますしね。分かりました。摘発はいつですか?」
「3時間後には治安維持隊の準備が整う。それくらいにギルドに来てくれればいい」
「3時間か……ちょっと宿に戻って誰か残ってないか見てきます。ジョーカーとヴァイオレットだけでも十分だと思いますが、戦力は多いほうがいいですから」
俺の発言を強気と取ったのか、ルールーはニヤリと笑った。
「十分、か。頼もしい限りだよ。ところで、そこの被害者の彼女は?」
「本人の意志で俺のメイドになるそうです」
俺の報告だけでは流石に容認されないので、フェリスを別室に連れて行って本人から直接証言を記録された。
こーゆーのはしっかりしてるんだな。
「この記録があれば後に問題になることもないだろう。フェリス君、訴えれば君の両親を裁くことも可能だがどうする?」
ルールーに尋ねられると、フェリスはちらりと俺の方を見てきた。訴えるのに必要な費用を気にしてるのか?
俺が頷くと彼女は首を振りながら。
「止めておきます。両親は一番ではありませんでしたが、私のことは愛してくれてました。最後は売られてしまいましたが、ご主人様と出会う機会をくれたと考えることにします。何より弟と妹の将来のためにも両親は居たほうがいいですから」
俺の予想と反して、彼女は両親を許すようだ。さっき俺を見たのは自分の意見を言っていいかの確認だったのか。
「じゃあ俺はフェリスを宿においてくるから二人はギルドに居てくれ」
「はいはーい」
「道中お気をつけて、ボス」
ギルドから宿まで十分位の距離だぞ。
ジョーカーは何を心配してるんだ?
奴の心配の甲斐なく?道中何事もなく宿に帰った俺は、いちゃついていたイーナとアキトを見つけた。
「宿に残ってるのはお前たちだけか?」
「そうですよー、私たちはちょうどデートから帰ってきましたー。ねー」
「ねー」
俺と話しながらも恋人繋ぎをしていちゃつくバカップルに青筋を立てながら、俺は他のダンジョンマスターへの書き置きをフェリスを渡した。




