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耐性付けさせてしまってすまん

今年も本格的に来ちゃいました花粉の季節が。

クシャミしすぎて喉痛い。

「リカヤの里では魚や肉を焼かないのか?」


「うん、里は湖の底にあるから火葉が湿って火をつけてもすぐ消えちゃうし、そもそも爺様に怒られる。だからいつもは生で食べてる」


『火を起こせるのを得意気にしてたってことはこの子の里では火を扱うものはいないってことすか?この子はどうやって火の起こし方を知ったんでしょう?』


「リカヤは誰かから火の起こし方を習ったのか?」


「ううん、爺様の部屋にあった本に書かれてた。その本に外の世界のことも書かれていて、僕すっげーもん見つけたって思って読みまくったんだ」


 水中なのに本はあるのか?滲まないか?


「それで、リカヤたちのやらねばならぬことって何なんだい?」


「ガガの力を抑えることだよ」


「自爆特攻兵器の?」


「?」


『?』


「何でもない」


 反射的に言ってしまった。日本でも一部のものにしか伝わらないのに。


「ガガってのは何?」


「ガガは悪いモンスター。放って置くと外の世界が大変なことになるって爺様が言ってた」


 高々モンスターを封じるために一種族まるごと結界の中に居るのか?大袈裟な気もするが。

 その規模なら間違いなくLランクモンスターか。


「力を抑えるのはどうやるんだ?」


「歌うんだよ。僕たちが歌うとガガは力が削がれるんだ」


 さっき歌ってたのはガガとやらの力を抑えるためだったのか。

 独自の呪文なものだとしたら翻訳が効かないのも無理はないか?


 グルオーン!


 遠くの方から雄叫びが聞こえる。これは…………。


「ガガだ!」


 木々を木っ端のように吹き飛ばしながら重厚な足音を立ててきたのは、さっきのゲテモノモンスター。

 あれがガガだったのか。


「お兄ちゃん、こっち」


 リカヤに手を引かれ、湖の中ヘズブズフと入っていく。


「お、おい」


「ガガは水が苦手なんだ。あいつの手の届かないところまで行こう」


 リカヤは泳いで逃げるつもりのようだ。

 あいつの触手かなり伸びるぞ。湖の中心に行くくらいしないと。

 俺は君と違ってエラ無いんですけど!?


『エアボール』


 俺が水に沈み切る前に盾の魔法のお陰で頭の周りが空気の玉で包まれる。助かったー。

 リカヤが俺の手を掴んで凄まじい速さで泳ぐ。

 盾が身体強化してくれなかったら肩外れてたかも。


「ここまで来れば…………え?」


 リカヤがガガの方を振り向きながら驚きの表情を浮かべる。

 ガガは恐れることなく湖に飛び込んできたのだ。


「普通に入ってきてるぞ!」


「そんな……爺様がガガは唯一水に耐性がないから水に触れるのを嫌がるぬて言ってたのに」


 耐性がないからビビるはずだったってことか。

 あ、ウォーターボール………………すまん。

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