恐ろしさをなくすには
「そんなに怖かった?」
「はい……ユースケさんはどうしてあそこまで平然としていたのですか?」
あの黒触手に抱く恐怖心は個人差があるんだろうな。
俺の場合、あれよりやばいのに何度か会ってるせいか。
魔王の爺さんとか、マオとか、マスターソードとか。何だったら最初の頃のヴァイオレットの方が怖かった。
「そうか。もっと怖いもんと一緒に置いとけばいいのか」
一週間後、エスリメの観光区画に新たなアトラクションが2つ追加された。
1つ目がLランクモンスターと触れ合おう!。2つ目がエスリメゴーレム資料館だ。
ハードモードに行ってたリーヴァにこっちへ移ってもらって、やってきた観光客を頭に乗せたりなどして触れ合い、恐悪な見た目だが気さくな彼(彼女?)の隣に黒触手を展示する。
恐ろしさはもっと凶悪な見た目のリーヴァで緩和され、観光客たちに花などで黒触手が入ってる箱をファンシーにデコレーションしてもらうことで恐怖心を無くさせる。
効果の程は。
「触手ちゃん可愛かったー」7歳女性
「リヴァイアサンに比べると迫力不足だな」38歳男性
「あれが邪神?酒のツマミみたいな見た目じゃのう」63歳男性
「あれだけ花とかピンクのリボンで飾ってて、恐れる方が難しいんじゃないかしら?」26歳女性
成功だな。万が一のことを考えて資料館にラボを移設してニアラに監視させるまでもなかった。
「ユースケさん、ここじゃ機密の新型開発できません」
「あー裏の方に行ってもいいぞ。でも一応警戒しといて」
「ヒャッホウ!」
資料館の案内も喜々としてやってたが、やはり本分は開発か。
ニアラがヒャッホウなんて言うの初めて聞いた。
急な思いつきだったが、観光区画の収入が50%増え、孔明に褒められた。
ヒャッホウ!
資料館に展示されてる物は同盟国に貸し出せるゴーレムに関することなのでいくら見られても構いません。
ニアラのやる気次第で展示物はどんどん増えてく予定。




