催眠術で武器恐怖症
ブリブリダイヤが楽し過ぎて遅れました……
「催眠術ですか?」
「ああ。催眠術で武器恐怖症にしてしまえば、もう兵士にはなれないだろ?」
ショップに催眠装置があった。原理は魔法だから解除される可能性はあるが、そのためのコストはかなりかかるから兵士全員の解除は財政的に不可能だ。
兵士たちが帰ってきても武器が使えないんじゃあ、もう戦争なんてできないだろう。
「それにこっちの案もなかなか……このタイミングでエスリメのゴーレムを売り込めば二十年以上はこちらの掌の上ですね。素晴らしい考えです」
「え?……うんそうだろう!」
なるほど、軍隊のなくなった国にゴーレムを貸せばほとんど言いなりにできるのかアメリカと日本みたいなものか。
「こんな感じでいいか?」
「はい十分ですよ。他の所は前から決めていた通りに」
「ああ、頼む。細かい所も自由にやってくれ」
「了解です。収容区画の制作と、冒険者ギルドに依頼を出していただけますか?」
「分かった」
また忙しくなりそうだな。均も付き合わせるか。どうせあいつ暇だろう。
「雄亮さん」
仕事に行こうとすると後ろから孔明に呼び止められた。
まだ何かやることあるのか?
「何?」
「ベリルをあまり重用しないで下さい」
「え?なんで?」
ベリルってあのベリルだろ?自分から働きたいってやつを何で重用しちゃいけないんだ?
「まさかスパイか?でも鑑定ではそんな情報無かった……鑑定が効かなかった?」
「いえ、明確な理由は分かりませんが、何となく……彼に力を与えてはいけない。そう思ったのです」
「勘ってこと?」
「……はい」
「いくら孔明でもただの勘では従えないな。重用しなかったらそれこそベリルに反抗心を持たれるかもしれない」
「それも、そうですね。…………忘れて下さい」
とは言ってみたものの、孔明の意見だ。ベリルの事は注意して見ておこう。
今までの感じ謀反とか全くそんな気配は無かったが、人の心なんていつでも些細なことで変わるからな。




