他国に出し抜かれる
それからしばらく雑談などして、戦場まであと数時間のところまで行くと孔明から連絡が来た。
「なに?マジか!?」
「どうしましたか?」
「他の国が行軍速度を早めて先に戦場に到着しそうです」
「む、抜け駆けか」
まずいまずい。先にモンスターを殲滅させられたら何しに来たのか分からなくなる。
ゴーレムの性能評価もできなくてニアラが不機嫌になるぞ。
「どうして抜け駆けなんか……」
「ズルでもエスリメに軍事で勝利したいと考えたのでしょう。そうすれば他国の牽制にもなります」
俺はエスリメより強いんだぞー!ほら、攻めれるもんなら攻めてみろよー!てことか?
「なんて幼稚な」
「国家間の問題なんて突き詰めればどれでもその程度も次元よ。それよりも儂らは一刻も早く戦場に行くんじゃ。モンスターが狩り尽くされる前にの」
それもそうだ。俺たちは少しでも早く戦場に着くよう急いだ。
とりあえずニアラにクイックゴーレム全機を預けて先行させる。
彼女は意気揚々とクイックゴーレムを連れて戦場に飛んで行った
これでエスリメ全てが大遅刻することにはならないだろう
ついでに他国の獲物もかっさらっちまえと言っておいた。
「なるほど、高機動型か。あれ程の速さなら早馬の代わりにもなりそうだ」
「一瞬で見えなくなりましたけど、あれでも出力7割程度らしいですよ。全力出したら騒音が酷いらしいので」
「我々に配慮したのか……」
もう見えないから、多分今頃はフルパワーで移動しているだろう。




