ジヨ国の将軍
戦場に近づくと隣で進軍していた(隣と言っても十数キロ離れてる)国から伝令がやってきておっかなびっくりでバスに乗ってきた。
「ご苦労さまです。なんの御用でしょうか?」
「はっ!私はジヨ国のヌランであります!ジヨ国のイレーグ将軍より、我が軍はエスリメ軍と合流し進軍する事を希望する旨を伝えに参りました!」
一緒に進軍か。まあ、どうせ戦場で合流するなら今してもいいか。
早めに合流してくれるって事は、少なくともイレーグ将軍にエスリメへの悪い感情は無いのだろう。
「それはこちらからお願いしたいくらいです。イレーグ将軍によろしくお伝えください」
ヌランが帰ってからしばらくすると千人程度の軍が徐々に近づいてきた。
その軍からヌランを含む数名の騎兵が近づいてくる。
その中の一人が他に比べて装飾の凝った鎧を身に着けている。恐らく彼がイレーグ将軍だろう。
「同行の許可をしていただきありがとうございます。ジヨ国のイレーグです」
バスに乗ってきたイレーグはヌランと違い堂々と敬礼をした。
丁寧な振る舞いから実直な人物だろうと思わされる。
付いてきたヌランはイレーグの副官だそうだ。
「こちらこそ有り難いです。どうもうちは他国の方々に避けられてるようで」
「はは、他国はともかく私はエスリメに悪感情はありませんな」
中々正直な人だな。こういうふうに言ってくれる人は嫌いじゃない。
「精強と言われるエスリメの方々と共に行動できるなら我が兵の被害も抑えることができますから」
「エスリメを高く買ってくれて鼻が高いです。しかし、そこまで言って良いのですか?」
「はい。我が王からは兵の被害を最小限に、そしてエスリメとの繋がりを作るよう言われました。ジヨ国はエスリメとの国交を望んでいます」
エスリメの軍事力を披露するだけのはずがお友達の国もできそうだ。
国同士の繋がりは大切だからな。願ったり叶ったりだ。




