真摯に救援しましょう
「モンスターの正確な数やランクは分かってないが、ゴーレムがその数でどうにかなるのか?」
「ゴーレムたちは一機でAランクモンスターを余裕を持って倒せます。今回のモンスターたちはダンジョンマスターが捨ててもいいと判断したザコたち。せいぜいBランクモンスターが十匹いればいいくらいでしょう」
ならどうしてブライシュクはこんなに追い詰められているんだというわけだが、一般的に兵士はCランク程度の実力で精鋭と言われる。
国が使えるBランク以上の兵や将は数人だろう。
そういう時こそ冒険者に依頼をするべきなのだが、ぶっちゃけモンスターの大群に突っ込むよりうちのダンジョンを散歩する方が儲かる。
ブライシュクがピンチな理由はエスリメにあったのだ。
いやー申し訳ない。
「せいぜいと言えるのが羨ましい。エスリメにとって雑魚を狩るだけで他国に恩を売れるとは……冒険者を引き抜いた甲斐があるだろう。なあユースケ殿」
気づかれてる!?俺はこの前孔明に言われるまで知らなかったのに。
「これブライシュクにもバレてますかね?」
「故意かどうかはともかく、今回のブライシュクの危機の原因にエスリメがあるのは明らかだろう。確定してないからお前が原因だろ!とか言ってくることはないがユースケ殿が露骨に対価を要求すれば、他国もエスリメが故意的に冒険者を雇いづらくしたと思うだろう」
「仕事を続けるかどうかは冒険者次第じゃが、エスリメが無ければ通常通り雇える事案じゃから……」
やっベぇ、恩売ろうとか思わないようにしよう。賢いらしいブライシュクの王様なら俺の下心なんてすぐ気付くだろう。
俺は純粋に助けに行く俺は純粋に助けに行く俺は純粋に助けに行く。よし、見返りは何も求めないぞ。




