ゴーレムの貸し出しと聖女について
「確かにエスリメの属国にはゴーレムが駐在していたお陰で被害がありませんでしたしね」
「そうそう!しかも、壊れても量産型だからいくらでも補充できますよ」
「うーむ……」
流石に貰えるとは思ってなかったようで、各国の長たちは腕を組んで考え込んだり、後ろの家臣と相談している。
まあ、ゴーレムが地球の戦車や戦闘機と同じような扱いだと考えたら、俺の気軽さの方が異常だから仕方ないか。
しかし、長考だったが結局どの国もゴーレムを受け取ってくれた。
とりあえず各国にソードゴーレム、アーチャーゴーレム、クイックゴーレムを30体ずつ、ハイドゴーレムを10体配置して、足りなくなったら注文ということになった。
だが、やはりタダというのは気持ち悪いらしく、格安で一機につき年10000DPで貸すという所で落ち付いた。
「次の報告は、聖女の行方が掴めました」
「何!?あのバカ娘はどこにいるのだ!ユースケ殿、貴殿に迷惑はかかってないか?」
「まー、ちょっとだけ。属国戦線で侵略軍の中に勇者といました。今はその勇者と行動を共にしているようです。聖女だけではなく勇者も若いから結構独善的で視野が狭く、自分が踊らされていることに気付くのが遅いバカなので被害に合わないよう注意してください」
セラン王は頭を抱えて机に突っ伏した。可哀想に。
俺は子どもたちに分別が付くまでは子どもに宗教は近づけさせないようにしよう。
分別が付くようになって自分で考えられるようになってからは、何を信じるのかは自由だ。本人に任せる。
「しかし、シルビス教にも困ったものだ。人数だけは世界一だから簡単に抗議できん」
「あそこはトップがブクブク肥っていて、下の者は日々飢えてますからね。上の人間だけが肥っている組織は信用できない」
「おい、それをわしの前でいうか?」
「おたくは国民の恰幅もいいでしょう」
ダルシメン首長とガタカ王のやり取りで会議室が笑いに包まれた。




