クロノ皇帝から連絡きた
『久しいのう』
「あ、お久しぶりです。この度はなんの御用でしょうか?」
『うむ、ブライシュクという国から救援要請が来ての。ユースケ殿も一緒にどうかと思った次第じゃ』
そんな釣りに誘うような言い方……どうなん?
しかし、孔明は毎度のことながらすごいな。電話がかかってくるタイミングで丁度、俺の側で仕事している。
俺は耳打ちして来る孔明の言葉をそのまま言った。
翌日、同盟を結んでいる人族の国々の代表をエスリメに呼び出して会議室に案内した。
昨日のクロノ皇帝との電話の後、すぐに各国に連絡入れたのだ。
「ようこそ。急な呼び出しに答えてくださりありがとうございます。本日は皆さんにいくつか話があって集まって頂きたました」
俺は皆の顔を見ながら話をする。
代表たちは頷いたりしているが、後ろに立っている部下の人たちは時間をチラチラ確認している。やっぱ国の代表だから忙しいんだろうな。
例外でダルシメン連邦とセラン王国は特に時間は気にしてなさそうだ。
「まず、この映像をご覧下さい」
先の戦争での新型ゴーレムの活躍を見せると、全員息を忘れる程熱中していた。
「いやあ、話では聞いてましたが映像を見ると凄まじいですね」
「うむ、我が国にも欲しいな。ユースケ殿よ、なんとかならんか?」
「いいですよ」
冗談のつもりで言ったのか、ストリア連合長は俺の返事に目を見開いた。
「まず一つ目の件がこのゴーレムを各国に配備したいという話です。これらの他に現在、対モンスター用の広範囲殲滅型の新型を開発中です」
ニアラが目を輝かせて頑張っていた。
「これ程の戦力を貸し出す対価はなんですかな?」
ガタカ王が冷静に聞く。優しそうな顔で何でもウンウン頷いてくれそうなのに、一番俺の真意を探ろうとしている。
「対価はいりませんが完全な善意、とは言いません。どちらかと言うと我が国と同盟関係であることでこれから不利益を与えてしまうだろうからそのお詫びと、その不利益の予防の為ですね」
ベリルの予想を、俺の考えのように伝えると各国もその可能性は考えていたのか反論は無かった。




