ゴーレムの弱点と改良点
「で、弱点とか改良点ってあったのか?俺が見た限り連合軍を圧倒しているように見えたが」
目立って撃破されているのは聖女と勇者のいた戦場で、そこ以外は数機程だった。
確かに急造の代物だったが、初期生産機が強いってのはロボット物のお約束だからそのままでもいいと思うが。
「実際に戦場へ出して分かりましたが、まず近接戦闘型のソードゴーレムは、人間程繊細な動きができません。故に人の剣術を真似してもどこかぎこちなくなってしまいます。関節を人間に近づけて見ることで様子を見ようと思います。次に射撃戦型のアーチャーゴーレムは矢が尽きると戦闘力が大きく低下してしまいます。かと言って、矢を増やすと機動力が下がってしまうので縁さんが作った魔法を発射する銃をゴーレム用に調整して装備させる予定です。高機動型のクイックゴーレムは機体を軽くするために全身オリハルコン製にしましたが、速すぎるせいで機体がそれに耐えられず撃破こそされませんでしたが戦闘終了時に動けなくなる機体が多く、その壊れ方も修理するくらいなら新しく作ったほうがマシなレベルだったので特に壊れやすい部位をアダマンタイト製にして耐久度を上げようと思います」
…………やっぱ専門家は凄えな。改良と言うより新型を作る規模だと思うんだが。
しかもこれはあのダンジョンマスターも提案したんだろ。あいつふざけた事ばかりしといて実は知的キャラなのか?
「これと並行して新型ゴーレムの開発も進めようと思います」
別に新型も作るのか。その作業量に頭上がらねえな。
「頼む。これからエスリメの防衛はここのゴーレムたちが主役になると考えている。エスリメの未来はお前たちにかかっていると言ってもいい。期待してるぞ」
適当に応援して俺は式典の準備に孔明の元へ向かった。




