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サティの師匠

「リーザマイン、俺の娘の師匠になってくれないか」


 俺の言葉にリーザマインはそわそわと指を合わせ目をキョロキョロと動かしながら挙動不審な態度で返答した。


「えーっとですね、そのー、王女様の才能がどれほどのものかをお見せ頂きたいのですが……」


「ほう、サティの才能がお前の基準に達しなければ育てたくないと?」


 気は弱いがテイマーとしてのプライドはもっているようだ。気が弱いだけなら俺の提案にすぐ乗ってくるだろうからな。


「い、いくらユースケ様のお子様であっても弟子は私が認めたものと決めております」


 言葉の途中からリーザマインは俺の目をしっかり見て話した。

 良いね、本物の強者って感じがする。


「それじゃあ見極めてもらおう。みんなついてきてくれ」


 それは全員を隣の自宅へ連れて行った。

 サティを探すと、タイミング良くヒューマンスライムと庭で遊んでいてすぐ見つかった。


「ぱーぱ!」


 サティが手を広げてよたよたと俺の元へ走って抱っこを要求してきたので、抱き上げてリーザマインに見えるように彼女の方を向いた。


「じゃあ、お前のやり方でこの子の才能を測ってくれ」


「で、では」


 リーザマインはネックレスに付いてる赤い宝石からフェルムトを呼び出した。

 は、ハードル高くない?このフェルムトってリーザマイン以外だと見るだけで噛みつかれるって聞いたけど。


 出てきたフェルムトは俺を見てグルルッ!と今にも噛みつきそうな顔で唸ってきたが、サティを見て静かになる。


 サティは凶悪な顔のフェルムトを見ても、泣く様子もなくフェルムトへ手をのばす。

 すると、フェルムトはゆっくりと俺たちに近づき、サティの手に鼻を当ててふんと息をした。


「う、嘘」


「まじ?」


 驚くリーザマインと俺。いや驚くよ!サティがモンスターを操ったのは、家族ボーナスのあったドラドラやヒューマンスライムだけだったから。


 フェルムトを懐かせるとはサティには非凡な才能があるってことだ。


「リーザマイン、これでいいか?」


「はい!私が責任を持ってサティ様を一流のテイマーにしてみせます!」


 こころなしかリーザマインの目が輝いている気がした。

 他の子たちはまだなんの才能があるかも分からないんだからお前らはまた今度なと、冒険者たち……近衛隊を帰して俺はサティをあやしながら家に入った。

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