元ウォルテニアの姫
先輩とコアちゃんが公園で密談してた。監視カメラの映像を見てたら急にコアちゃんや先輩の立ち位置が変わっていたし、一体何があったんだろう?
コアちゃんに聞いたら秘密ですって言われたし、先輩は見つかんない。
どんなこと話してたのかすんごい気になる。
そんなこと考えながらダンジョンマスター居住区の廊下を歩いていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。
「ユースケさん」
「…………コーリンさん。ここ、ダンジョンマスターしか入れないはずなんですけど」
正確には孔明やマスターソードも入れるけどな。
俺の肩を叩いたのは金髪のすらっと背の高い女性。
彼女はコーリン、前ウォルテニアの王の娘だ。つまり元お姫様。
誠司が新しいウォルテニアの王になったことで、処刑した王や貴族の妻子は邪魔となったのでうちで預かることになった。
現在彼らは一般人が入ってこれない区域で暮らしてもらっているはずだったんだが。
「街を歩いているダンジョンマスターさんにユースケさんに呼ばれたと言ったら指輪を貸してくださいましたわ」
誰だそんなことしたバカは。せっかくの指輪セキュリティが意味ないじゃないか。
もしコーリンが俺を殺そうとしてたらどうするんだ。
あ、そんなこと考えた時点でゴーレムが出てくるか。
うーん、事前に犯人を取り押さえれるのは犯罪が無くなっていいけど、国民の防犯意識が薄れてしまわないか?
「今度から正規の手続きをして下さい。問い合わせがあればこっちから行きますから」
「うふふ、そうですね。今度からそうしますわ。ところでどうしてそんなにそっけない態度ですの?」
そりゃ俺はコーリンのお父さんを殺してるから後ろめたくはある。後単純にあまり関わりがないから話しづらい。




