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とある拉致被害者

 最初は絶望、そのたった一つじゃった。なんせ数十年も近所付き合いをしていた者たちの手で直接手足を縛られ、兵に引き渡されたのじゃから。


 エスリメに移住して日も浅く、ダンジョン同士の争いという文字だけで恐ろしい事態から、ユースケ陛下を信頼せず逃げ出した天罰が下ったのだと思ったわい。ダンジョンマスターを裏切って天罰もおかしな話かのう。おっと今のは秘密ですぞ。


 しかし、そんな儂らを陛下は見捨てられなかった。エスリメ建国時からの重臣のチース様とゴ様、そして孔明宰相の弟君であられる均様を儂等を助けるために送ってくださったのじゃ。


 救出自体はゴ様が点呼をして、チース様と均様が見たこともないゴーレムに入れとまともな説明もなくゴーレムに押し込まれただけじゃったが、ゴーレムの中は案外快適で温度も調節でき椅子や壁にはクッションが付いててフカフカで飲み物が置かれてたり音楽が流れておった。


 ゴーレムが動く揺れもあって熟睡してしまったわい。

 昔住んでいた家より快適だったと言っても過言ではないといった者たちと後で話したのう。


 そして、救出されてエスリメに戻った後、なんとユースケ陛下が儂らに直接会いに来てくださったのじゃ!無事で良かったと言ってくださり、助けるのが遅くてすまんと謝まってくださった。なんと恐れ多いことじゃ。


 後で聞いた話だと、陛下は儂らを助けるための陽動部隊の指揮もなさってくれていたそうじゃ。儂らのような平民の為にそこまでしてくださるお上の方なんぞめったにおらん。


 その話を聞いて儂は陛下を心の底から尊敬しましたな。


            (とある拉致被害者)

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