表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

310/443

全軍行動開始

 快晴の下、二つの軍が対峙していた。

 片方はエスリメの属国の軍とエスリメ軍、もう片方は属国に侵略しようとした侵略国連合軍の一つ。この光景は後十数箇所、同じように展開されている。


 エスリメ軍の方は、雄亮からまだ指示が無い為動く気配を見せず、侵略軍の方は攻めようにも強大なエスリメ軍の様子を窺わなくてはならない為、こちらも動こうとしない。膠着状態であった。


 そんな停滞した状況で末端の兵士に油断が生じ始めた頃、青空の下に雄亮のホログラム映像が映し出された。


『ごきげんよう愚かな侵略軍と我が国民たちを拉致した国の民よ。余はエスリメの王、雄亮だ。本日は君たちにとっては残念な事を言わなくてはならない。まず余は誠に遺憾に思う。エスリメは全種族共栄、他国との平和的な交流を望んでいた。しかし、君たちはその気持ちを踏みにじり、エスリメが閉鎖中の隙を狙い属国を侵略しようと試みたり、避難していた元々は隣人だった者たちを奴隷に貶めるなど卑劣極まりないことをした。侵略の大義はダンジョンマスターに支配された国々の解放、だったか。全く笑えるほど無理矢理な大義名分だ。余はかの国々。支配しているのではない。保護しているのだ。まったく、人間とは理由をつけさえすればどんな残酷なことも平気でできてしまうんだな。いや、そんな人の道に反するような事ができるキチガイは人族の中でも少ないか。余と友好を望むものも多くいるからな。余は手を差し伸べられればそれに応じる手は、いくつでも持っている。しかし、剣を向けられればその者たちを後悔させる力も持っている。エスリメは平和主義だが決して無抵抗主義ではない!全軍、行動開始!』


 雄亮が右手を上げて振り下ろし合図を出した途端、エスリメ軍は野獣のような雄叫びを上げて侵略軍に向かって走り出した。


 そして同刻、世界各国の長たちに妖精族とエスリメが同盟を結んだことが知らされる事となり、中でも侵略国の長たちは真っ青な顔でその報を聞いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ