転移者
高2で魔法が使えるようになってたった数ヶ月でよくここまでのハイスペックになったなと驚いたが、精神と○の部屋の凄いバージョンに入れられてたのか。
二百年に耐えることができた先輩も、初日からハードな修行をさせた先輩のお父さんのどちらも恐ろしい。
「昔、戦いが終わった理由は、敵が世界の崩壊を嫌ったからなんだよ。世界の希望は軒並み父さんたちに協力するから戦い続けるとその世界の事象が崩れてしまうし、勝ったとしても支配する世界が無くなってしまうのだから戦いそのものが不毛だったからね。だけど、最近敵さんは事象なんて関係ねーぜ!ヒャッハー!と言わんばかりな強引な介入をしてくるようになった。僕にはむしろ積極的に世界を崩壊させようと動いているように見える。そこで放浪者の歴史上最強になりうる可能性を持つ天才の僕を中心とした放浪者、新世代を問わず様々な世界の精鋭を集めた組織、『転移者』が作られた。転移者の目的は敵放浪者、新世代の排除と戦力拡大、事象を起こして世界を安定させること。結成してまだ日は経ってないけど、僕の冴え渡る手腕のお陰で今まで放浪者たちが行ってきた仕事を何倍も効率を上げて完了させてるよ。そうそう、カスター君には転移者に入ってもらおうと思ってるよ。」
「マジで?さっすがエニっちゃん!俺っち無職回避〜」
カスターはニコニコと笑いながら先輩の肩を叩く。先輩は少し鬱陶しそうな顔をしている。
カスターみたいなテンションの人間は苦手なのだろうか。
「僕の話せる情報はこれが全てだね。後は僕の自慢話になるから今話すことじゃないかな」
今でも結構自慢を混ぜてた気がするが……これ以上自慢してくるのか?
もう聞かないでおこう。
「ありがとうございます。お疲れ様でした」




