先輩の能力
「先輩の能力って、あのヒーラーっぽいやつですよね」
「いいや、あれは僕の能力の一部だよ。僕の能力は魂を操る力。その詳細は、自分の中に多くの人格が居て、そいつらと交代することができる。既存の人格に加え、負かすか殺すかした新世代の魂を人格として僕の中に吸収し、交代している間その能力を使える。そして最後は世界の希望と絆を結んだ時、その人格のコピーを僕の中に宿して一時的に魂を融合させて力を使うことができる。ニアラちゃんを治したのはこの力だね」
「世界の希望って?」
「所謂主人公ってやつさ。小世界に一人だけ居る事象と深く関わっている存在だよ。希望が殺されると一発で世界が崩壊してしまうから、今では各世界で二、三人の放浪者か新世代が気付かれないように守ってるよ」
てことは先輩は姿が変わる時、バージョンカグヤとか言ってたからカグヤって言う世界の希望がいる世界に行ったことがあるってことか。
「てゆーか先輩の能力って新世代を倒しまくれば実質能力の種類が無限にあるってことじゃないですか。チートだ!」
「だって僕は創造者ちゃんの持てる力をすべて注ぎ込んで能力を付けられた存在だからね。敵に取られないよう能力に目覚めるまで見守ってくれてたし、助言もしてくれる。父さんに接触したのはたった2回だけど、僕は新しい小世界に行くたびにその世界の希望と事象について教えてもらってるんだ」
んー、先輩は創造者の最終兵器みたいなものってことか。
「僕は高2になるまで放浪者や新世代のことは全く知らずに人間として生きてきた。原初の放浪者以外は十代から三十代の間に成長が止まり、その時から魔法を使えるようになるから初めて魔法が使えた日はビックリしたよ。その日の内に放浪者のリーダーだった父さんから放浪者の歴史を教えられて、入っている間は内部の時間が加速される空間に放り込まれて二百年も修行させられる鬼畜の所業をされたんだよ」




