いつの間にかダンジョンバトル決まってたんですけど!?
Side留守番雄亮
「えっ?ダンジョンバトル!?なんで?」
ある日、妖精族の城に居るはずのヴァイオレットたちが帰還して、外の俺が24時間後にダンジョンバトルをする申し込みをしたと報告してきた。
「勝手な行動しやがって!こっちはまだなんの用意も……」
「完璧に整えてますよ」
「え?」
孔明は、俺に何も言わずに、エスリメ軍人間部隊の妖精族の大陸への派兵、ダンジョンの一時立ち入り禁止、難易度をダンジョンバトル用に変更、住民や観光客への事情説明に出国希望者の簡易出国手続き、更には冒険者を雇っていた。
そもそもこのダンジョンバトル自体、孔明が仕組んだことらしい。
通りでなんか最近みんな慌ただしいなーって思う訳だ。
「どうして教えてくれなかったんだよ!」
「あれだけ人が動いていたら流石に気づくと思いましたし、聞いてきたら答えてましたよ。前から思ってましたが雄亮さん、もしかして分身した時に注意深さか知能をもう一人の方に持っていかれましたか?」
ぐっ、人が気にしていることを。
確かに馬鹿な行動が分身後増えてる気がする。気合いが入ってる時はちゃんとできてるが無意識な所でやっちまうんだよな。
てか孔明、俺が聞かなくてもホウレンソウはしろよ!
「と、とにかくマスターたちとリードを司令室に集めろ。作戦は考えてあるんだろ?」
「もちろん。既に皆さん司令室に集まってますよ」
俺王様のはずなのに実権は全て孔明に握られてるなぁ。
まあ、バカタレな俺が国を運営したらすぐ潰れるし、俺の知らないところで孔明は沢山仕事してるから俺が全部やる!ってのも面倒だ。
うーん、でも権力の一点集中って国の破滅の第一歩な気もするんだけど…………難しいことは孔明に任せるか。
「早く行きましょう。皆さん待ってますよ」
「あ、あぁ。」




